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「どこでもテレビ」に飽き足りず……東芝の防水ポータブルテレビ「10WP1」を使って分かったこと(3/3 ページ)

» 2016年02月03日 15時06分 公開
[ITmedia]
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 レグザ以外のレコーダーをサーバにした場合、「タイトルリスト」には録画番組がずらりと並び、「名前順」「日付順」でソートできる程度。レコーダー上で実現しているシリーズ番組ごとのフォルダ表示や未視聴アイコンなどは反映されない。東芝製品に限らず、異なるメーカーのDLNA機器を組み合わせたときは、こんな感じだ。

 一方、当然ながらレグザと組み合わせた場合の使い勝手はかなり良くなっている。まず「10WP1」では、レグザの全録機能「タイムシフトマシン」で録画した番組と、通常録画で録画した番組の両方を見られる。付属のリモコンやメニューから「過去番組表」と「ざんまいプレイ」に直接アクセスできるところもいい。

「10WP1」のリモコンには、「ざんまい」「過去番組表」といったレグザユーザーにとって見慣れたボタンがある

過去番組表を呼び出したところ

 通常録画の保存先になっている「’ハードディスク1」を開くと、「すべて」「未視聴」「曜日別」「ジャンル別」「連ドラ別」「マイフォルダ別」といったフォルダが並んでいた。未視聴番組が1つのフォルダにまとまっているのは便利だし、シリーズ番組も「曜日別」フォルダ(さらに曜日でドリルダウン)にまとまって入っているから目的の番組を見つけやすい。欲をいえばシリーズ番組ごとのフォルダがあって、その中で未視聴回を判別できるとうれしいのだが、現状でも十分に代用できた。さらに家族でレグザを利用している場合も、「マイフォルダ」が使えるので心配いらない。

 一方のタイムシフトマシン録画を開くと、「チャンネル」「日付」「ジャンル」「ざんまいプレイ」で分けられている。さらに「ジャンル」の中には、アニメやドラマといった番組ジャンルに加えて「新番組」や「いつもの番組」「あなたにおすすめ番組」といったディレクトリも用意されていて、「何か面白い番組ないかな?」と探すときにも便利。“レグザそのまま”とは言えないまでも、タイムシフトマシンとざんまいプレイの良いところは十分に活用できる。

タイムシフトマシン録画では「新番組」や「いつもの番組」「あなたにおすすめ番組」も選べる

「新番組」を開いたところ

「どこでもテレビ」に飽き足りず……

 おかげですっかり長風呂になってしまったが、それを助長したのが、これまで防水テレビとして使っていた「iPad mini」だった。テレビという任を解かれた今、セカンドディスプレイとしてアプリやゲームに活躍している。つまり、「10WP1」と一緒に使うことで、お風呂の中でもテレビの“ながら見”ができるようになったのだ。

「10WP1」と防水ケース入りの「iPad mini」により、浴室デュアルディスプレイ環境を実現。湯船にゆったりと浸かり、テレビを見ながらネットやゲームも楽しめる。

 湯船につかりつつ、テレビを見ながら、ゲームをする。ここまでくると、もうリビングルーム以上の快適さ。ついつい時間を忘れて長風呂になってしまう。1度は奥さんが心配して見にきたが、2つの防水デバイスを駆使して目一杯リラックスする旦那の姿を見て、あきれ顔で去っていった。もちろん、その日から奥さんも同じことをするようになったことは言うまでもない。

 どうやら自分が求めていたのは、「どこでもテレビ」や「お風呂スマートテレビ」ではなく、「どこでも、ながら見」だったらしい。スマートフォンやタブレットでテレビが見られるのも便利だが、見ている間は手元からスマホがなくなってしまう。しかし「10WP1」と一緒なら、いい音と画質でテレビを見ながら手元でネットやゲームも楽しめる。しかも家中のレコーダーに保存されている番組も見ることができるのだから、お風呂好きにとってはパラダイスである。


 「10WP1」は、スピーカーのサイズありきで開発されたため、外観については少し好みが分かれるかもしれない。しかし、使い勝手は上々で、画質・音質など従来のポータブルテレビにあった不満点をいくつも解消してくれた。レグザのコンパニオンデバイスとしてはもちろん、単に防水ポータブルテレビやセカンドテレビを求めている人にもオススメしたいアイテムだ。

おまけ2:“引っ越し”だけじゃないSeeQVault

 もう1つ注目の機能として、「10WP1」が最新の著作権保護技術「SeeQVault」に対応している点を挙げておきたい。これまでテレビに外付けHDDを接続して録画した番組は、そのテレビでしか再生できなかった(機器バインドという)。SeeQVaultはそれを解消するために作られた規格で、対応している機器同士ならHDDをつなぎ替えて再生できる(ただし、現状では同一メーカーの製品に限られる)。つまり、レグザやレグザブルーレイで録画した番組をSeeQVault対応SDカードや外付けHDDに保存しておけば、10WP1につなぐだけで再生できるのだ。通信料もかからず、大量の番組を持ち運べる。

 例えば小さな子供のいる家庭なら、帰省や旅行の際に「10WP1」と一緒に、子供向け番組を保存したSeeQVault対応HDDを持って行けば、移動中や宿泊先で便利に使えるだろう。これまでは録画機を買い替える時の“引っ越し”機能として語られることの多かったSeeQVaultだが、別に普段から使っても悪いことはないのだ。

 今回は「50Z20X」側のSeeQVault対応ファームウェアがまだ提供されていないため、実際に試すことはできなかったが、SeeQVaultもまた、ポータブルテレビの用途を広げてくれる新技術だと思う。


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