例えばキャビネット。レーザー測定機を駆使しながら7カ所に補強桟を設け、6面すべての“箱鳴り”を抑えた。ツィーターとミッドレンジの背後には直接パイプを組み付け、バックチャンバー(R.S.チャンバー)を装着。3本のパイプは長さを変えており、それぞれのパイプから出た音の位相差で減衰させる仕組みだ。またキャビネット内に設けられた“J字型”のパイプ「アコースティックアブソーバー」も定在波を吸収するためのもの。ヤマハの「調音パネル」と同じ考え方を導入したという。
「海外メーカーでは丸いエンクロージャーを使って定在波を抑えようとしているが、それでも定在波そのものは発生する。NS-5000は、あえて角形にして特定の帯域に強い定在波を出し、それをアコースティックアブソーバーで“吸い取る”という考え方だ」。音を吸い取ることで知られるヘルムホルツ空洞や片側閉管タイプより効果が高いという。
昨年9月の製品発表時からの変更点は、伝送ロスを減らすために内部配線に「PC-Triple C」を採用したこと。そして岡田氏の言った通り、全国の試聴会でファンからのフィードバックを受けてまとめ上げられた音質チューニングだ。製品発表時の荒削りな印象は一切なくなり、安井氏の言う「ヌケが良く、低域の再現性に優れる。じっくりと音楽を楽しむことができる自然さを求めた音」が楽しめる。なお、NS-5000の再生周波数帯域は26〜4万Hzとハイレゾ音域を十分にカバーしているが、あえてハイレゾマークは付けていない。
「本当に良いものにマークはいらないんです」(安井氏)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
Special
PR