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据え置き型にしか出せない音を――ソニーのヘッドフォンアンプ「TA-ZH1ES」

» 2016年09月08日 13時02分 公開
[芹澤隆徳ITmedia]

 ソニーは9月8日、バランス接続対応の据え置き型ヘッドフォンアンプ「TA-ZH1ES」を発表した。「IFA 2016」で発表した「Signature Series」(シグネチャー・シリーズ)の1つだが、同時に“ES”型番を持つプレミアムオーディオでもある。11月上旬〜中旬に発売する予定で、希望小売価格は27万8000円(税別)。

「TA-ZH1ES」

 PCMの768kHz/32bit、DSD 22.4MHzまでサポート。同社の「S-Master HX」を進化させた新開発の「D.A.ハイブリッドアンプ」を搭載し、1200mWという高い出力を実現。高インピーダンスのヘッドフォンも鳴らしきるという。「高インピーダンスのヘッドフォンで十分な音量を得るためには大きなパワーが必要となるが、半導体(デジタルアンプ)はパワーと高速動作の両立が難しかった。MOS FETの限界によって発生する誤差をアナログアンプが補正し、理想的な信号を再生する。いわばデジタル出力をアナログアンプがサポートする形だ」(ソニー)

上面に操作ボタンやディスプレイを装備

 また低域の位相コントロール技術「DCフェーズリニアアナライザー」も搭載。アナログ方式のパワーアンプに近い位相特性を独自の音響処理で再現するというもので、アナログアンプに近い十分な低音感を得られるという。「据え置き機にしか実現できない圧倒的な音質体験を提供する」。

 ヘッドフォンのバランス駆動にも対応。フロントパネルにはアンバランスの6.3mm標準ジャックと3.5mmステレオミニジャックに加え、同社の「MDR-Z7」などで使用できる3.5mm×2のバランス端子、新しい4.4mmのJEITA規格、そしてXLR 4という3種類のバランス端子を備えた。

フロントパネルに並ぶヘッドフォンジャック
背面端子

 ESシリーズで培ったFB(frame、beam)シャーシにW(wall)を加えた「FBWシャーシ」を新開発。Wall(壁)はアルミブロックからの押し出しで製造しており、極めて高い剛性を持つという。また天板を鉄とアルミという異なる共振ポイントを持つ異種金属で構成。二重構造の底板は不要振動の伝播を遮断する仕組みだ。

 背面には、USB入力をはじめ、同軸デジタルや光デジタル入力、プリアウトなどを備えた。同軸は192kHz/24bitまで、光は96kHz/24bitまでの対応となる。またオマケ的な機能としてアナログ入力を用意。「アナログ信号を一度DSD化して再生する」というマニアな楽しみ方を提供するという。

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