ソニーは9月6日、4K/HDR対応のホームシアター向けプロジェクターのフラグシップモデル「VPL-VW5000」を発表した。業務用プロジェクターと同じ筐体(きょうたい)を使い、レーザー光源で最大5000ルーメンの明るさを実現する超弩級モデルだ。受注生産品で価格は800万円(税別)。
画素ピッチわずか4μm(マイクロメートル)のネイティブ4K解像度を持つSXRDを搭載。光源に「Z-Phospherレーザーダイオード」を採用したことにより、最高輝度5000ルーメンを実現した。ダイナミックコントラストは無限大(∞:1)で、色域はBT.2020を「ほぼ近いところまでカバー」(同社)するなど、まさにフラグシップモデルというスペックを誇る。
もちろんHDR(ハイダイナミックレンジ)にも対応しており、Ultra HD Blu-rayのHDR 10に加え、放送用HDRとして普及が見込まれるHLG(Hybrid Log Gamma)にもファームウェアアップデートで対応する計画だ。ただし、Dolby Visionについては「予定はない」(同社)という。
レンズは交換も可能。標準のレンズは高解像度の映像をすみずみまで忠実に再現するという新開発の「4K ARC-F(オールレンジクリスプフォーカス)レンズ」だ。2.1倍電動ズーム付きで、7.62mの距離があれば300インチのスクリーンに投影できる。さらにオプションの単焦点レンズ「VPLL-Z7008」を使用すると25.4mで1000インチのスクリーンまで投影可能だ。なお、単焦点レンズは業務用製品と共通の仕様になっている。
このほか、データベース型超解像処理「リアリティークリエーション」では、新たに4Kコンテンツに適した「Mastered in 4K」モードを搭載。またスポーツコンテンツなど動きの速い映像をくっきりと表示できる「モーションフロー」、ゲームに適した「遅延低減モード」にも対応した。
HDMI 2.0の入力端子は、4K/24pなら12bit、YCbCr(4:4:4)までサポート。4K/60pでも8bit(4:4:4)あるいは12bit(4:2:2)入力に対応する。
水冷機構による静音設計も大きな特徴だ。前面吸気/背面排気の空冷機構(ファン)と組み合わせ、大出力のレーザーダイオードを使用しながら駆動音は30〜35dBに抑えた。消費電力も最大1.2kWと「エアコンレベル」(同社)としている。
さらにレンズブロックから光学ブロックまでは新開発の密閉構造とし、チリやホコリの侵入を防ぐ。内蔵のカラーセンサーによる「オートキャリブレーション機能」や長寿命のLED光源(約2万時間)も合わせ、長期のメンテナンスフリーを実現したという。
本体サイズは、レンズ込みで550(幅)×262(高さ)×880(奥行き)mm。重量は43kg。ソニーでは9月24日から「VPL-VW5000」の受注を開始する予定で、納期の目安は2カ月以上。11月24日から順次出荷するとしている。
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