ソニーは10月4日、ノイズキャンセリング機能を搭載したワイヤレスヘッドフォンのフラグシップモデル「MDR-1000X」を発表した。価格はオープンプライスで、店頭では4万円前後になる見込み。ブラックとグレーベージュの2色を10月29日に発売する。
密閉型のハウジングに40mm径のドーム型ドライバーユニットを収め、4〜4万Hzというワイドな再生周波数帯域を実現。有線でも使用できるが(ケーブル付属)、広帯域コーデックの「LDAC」やアップスケーリング機能の「DSEE HX」、ハイレゾ対応デジタルアンプ「S-Master HX」といった技術を詰め込み、「ワイヤレスでもハイレゾ相当の高音質」(同社)を目指した。
右側ハウジングにはタッチセンサーを搭載し、音楽再生/一時停止や音量調節などが可能。手持ちのスマートフォンとBluetooth接続した場合、Siri(iOS)やGoogle Now(Android)といった音声アシスタント機能を起動することができる。
一方のノイズキャンセリング機能は、2つのマイクを使ったアクティブタイプ。外部の音をマイクで拾い、逆位相の音をリアルタイムに生成して打ち消す仕組みで、従来機からドライバーユニットやセンサーの配置を変更して精度を向上させた。「業界最高クラスのノイズキャンセリング性能を持っている」(同社)
ユニークなのは、「パーソナルNCオプティマイザー」と呼ばれるキャリブレーション機能を設けたことだ。左ハウジング下にあるNCボタンを長押しすると音声ガイダンスが流れ、まるでAVアンプの自動音場設定のような作業がスタート。ドライバーから試験信号音を流して内蔵マイクで拾い、装着した人の頭部の特徴や個人差を検出するという。「例えばメガネの有無や髪型、装着ズレといった個人差から生じるノイズキャンセリング効果の変化を吸収し、理想的な状態にする」(同社)
さらに外出先でもヘッドフォンを使用できるよう、音楽を再生しながら環境音を取り込む2つの機能を用意した。1つは「アンビエントサウンドモード」で、周囲の音が自然に聞こえるノーマルモード、人の声やアナウンスをピックアップして取り込むボイスモードを選択できる。
操作は簡単。左側ハウジングの下部にある「AMBIENT SOUND」ボタンを押すと、音声ガイダンスが「アンビエントサウンド ノーマル」と知らせる。音楽の再生を継続しながら周囲の音をすべて取り込む状態だ。再びボタンを押すと「アンビエントサウンド ボイス」に切り替わり、同じく音楽を再生しながら周囲の騒音をカット。アナウンスなど人の声がよく聞こえるようになる。
もう1つは、必要なときだけ外音を取り込む「クイックアテンション」だ。右ハウジングのセンサー全体を手で触ると「ピッ」と音が鳴り、音楽の音量が下がると同時に周囲の音が全て取り込まれる。「急に知人に会ったときや緊急のアナウンスなど、周囲の状況を把握したいときに便利だ」(同社)
MDR-1000Xの本体重量は約275g。バッテリー駆動時間は、NCオン時で最大20時間、NCオフで最大22時間となっている。
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