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登山者の居場所が分かるIoTサービス「TREK TRACK」

» 2017年08月09日 15時16分 公開
[ITmedia]

 近年のアウトドアブームで多くの人が登山を楽しむようになった一方で、山岳遭難は深刻な社会問題となっている。警察庁が発表した「平成28年における山岳遭難の概況」によると、山岳遭難の発生件数と遭難者数は、統計の残る昭和36年以降で前年に次いで過去2番目に多かった。こうした状況に一石を投じるかもしれないサービスが開始される。

 博報堂アイ・スタジオは、専用のGPS端末と長距離無線技術を用いて山岳地帯にいる人の位置情報を可視化するサービス「TREK TRACK」(トレック トラック)を9月1日から提供すると発表した。端末はレンタル制で1日990円から。専用のWebサイトから申し込める。

専用GPS端末はIPX4の生活防水仕様。電源は単四形乾電池2本で、約3日間の連続動作が可能だ

 専用端末の電源を入れて携行すると数分に1度、自動的にGPSの位置情報がサーバに送られる仕組み。端末の位置情報は、Webサイトや専用アプリ(iOSのみ)で登山者の家族や山岳管理者がリアルタイムに確認できる。また、有事の際にはデバイスの「HELPボタン」でTREK TRACK運営事務局にHELPコールと位置情報を送信可能。今後は電子登山届の提出サービスとも連携する予定だ。

Webサイトや専用アプリでは実際の地形データを元にした3Dマップで位置を確認できる。個人データのほか、端末を持つほかの人たちの状況も表示される
専用アプリでデバイス予約から3Dマップの参照なども行える。現状ではiOS版のみ

 TREK TRACKでは、通信にLPWA(Low Power Wide Area)技術を用いて独自のネットワークを構築するため、携帯電話が圏外の場所でも問題なく使用できるのがメリット。山小屋などに設置される専用ゲートウェイは、1台で直径約10kmのエリアをカバーできるという。ただし、ゲートウェイが設置されていない山では使用できない。

 TREK TRACKは、まず山梨県の瑞牆山(みずがきやま)で運用をスタートする予定。また冬までには新潟県の神楽スキー場でも使用可能にするなど順次対応エリアを増やしていく方針だ。

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