「Twitterは公式の発言なんですか?」――原口総務相記者会見(ほぼ)完全収録(4/4 ページ)

» 2010年01月23日 01時41分 公開
[堀内彰宏,Business Media 誠]
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Twitter上での発言について

――フリーランスの畠山理仁です。大臣はTwitterをやられているかと思うのですが、昨晩のTwitter上で「明日の記者会見は予算委員会終了後の閣議後になります。インターネットメディアの皆さんらクラブ以外の方も参加できるように総務省大臣室で行うよう指示したいと思います」と書き込まれていらっしゃる。今、こちらは大臣室ではなく会見室なのですが、これは単なる書き間違いですか?

原口 すみません。私は昨日大臣室でやってくれと(指示したのですが)、ただキャパの問題があり、それから(ほかの会見は)院内でやっているわけですが、「院内ではやめてくれ」とこの間要望があり、この後のお客さんの関係もあってこちらになりました。

――広報室の方に指示は出したということでよろしいのでしょうか?

原口 はい

原口氏のつぶやき

――もう1つ、Twitterのことでうかがいたいのですが、大臣が書かれている発言というのは公式の意見としてとらえていいのか、それとも話半分に聞いたほうがいいのかどちらなんでしょうか?

原口 こういう時、何て答えたらいいんだろう。ちょっと勉強させてください。

――公式(の発言)だということになって、大臣のつぶやきが少なくなるのは大変さびしいのですが。

原口 しかし、公人なので、できるだけ率直な気持ちをあそこに示そうと思っていますし、「当たり障りのないことだけを書こう」とは思っていません。ただ、その発言にはやはり責任がありますので、しっかりと注意しながらやっていきます

――J-CASTニュースの亀松です。今のTwitterの関連なのですが、昨夜のつぶやきで報道に関する原則をつぶやかれていました。また、これはまったく別ではあるのですが、自民党の河野太郎議員がブログで検察の捜査に関する報道姿勢について批判もしています。そういう形で民主党、自民党からも報道批判のようなものが出ていますが、昨日のつぶやきの意図を教えてください。

原口 昨日、ICTタスクフォースで、「言論のとりでを守る」ということで議論をしたわけです。その中で何人かの人たちから、(事件報道においての)世界の標準、それから守るべき行動ということを教えていただいて、「ああ、原則というのはこういうことなんだ」(と思いました)。それをみんなで共有したい、国民の知る権利や推定無罪、クロスメディアといったことの弊害といったことについても多くのみなさんと情報を共有してご意見をいただきたいというのが(つぶやきの)趣旨で、原則1から原則5まで書きました。特定のメディアや特定の報道内容をどうこうというのではなくて、「こっちの方向にいけたらいいね」と世界の多くの人たちが言っているもの、「それはこんなものですね」と教えてくださったものがそのままつぶやきにというものに(なりました)。

――とすると参考というようなことですか?

原口 そうですね

――フリーのジャーナリストの岩上です。Twitter関連でご質問しますが、Twitterを見ることができた国民は限られていると思います。昨夜、大臣がつぶやかれたのを、リアルタイムで見ていて、「非常に重要なことをおっしゃっている」「賛否はあろうとも非常に重要なことをおっしゃっている」と私は思いました。1から5までの報道の原則について。それから、検察に対して記者が取材をする時に、「出入り禁止にするぞ」などと脅して、書く記事をある種操作するということはあっていいのかという義憤などがありました。インターネット(中継)も入っていると思います。大臣がいくつか大事なことをおっしゃっても、メディアでは記事にならないこともありますので、国民が直接見れる場所でもありますから、昨日(Twitterで)おっしゃられたことを大臣の口から重ねてご説明いただけないかなと思います。

原口 昨日申し上げたことは大きく分けて2つ。これは「かつてあったこと」ということで、私のジャーナリストの友人たちがSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス)に書き込んだり、私にメールをくれたことです。それは、「“関係者”という言葉はかつて、ある捜査機関のメディアに対する制約要件だった」ということです。関係者と書かなければ、まずは取材はさせないし、逆にその文字がないと「出て行きなさい、あなたは。もう私のところの情報は渡しません」ということを複数の人たちが教えてくれて、「ああ、かつてそんなことがあったのか」と。これは真偽は分かりません。その人たちがそうおっしゃっているということを書いたわけです。

 逆に公的な機関、もし僕がここで気に入らない人に「あなた出て行きなさい」なんてことは言ってはならないし、本来公的な会見というのは、その人の身分と名前をオープンにするというのが原則で、それができないからといって、それを排除するというやり方はダメですね、というのがまず第1です。

 それから各国の事件報道の5つの原則。原則1は“推定無罪の原則”で、「最初から有罪であるよう印象づける報道はしないこと」原則2は“公正な報道”で、「検察の発表だけをたれ流すのでなく巻き込まれた人や弁護人の考えを平等に報道すること」原則3は“人権を配慮した報道”で、「他の先進国並みに捜査権の乱用を防ぐため、検察・警察の逮捕権、家宅捜索権の行使には、正当な理由があるかを取材、報道すること」原則4は“真実の報道”で、「自主取材は自主取材として、検察・警察の情報は、あくまでも検察・警察の情報である旨を明記すること」原則5は“客観報道の原則”、「問題の歴史的経緯・背景、問題の全体構図、相関関係、別の視点などをきちんと報道すること」。これは報道の方が教えてくださったもので、「ああこういうものというのが大事なんだな」と思いました。

 合わせて昨日、「ソースを明示するということが原則で、よその国もそうだ」ということを申し上げたわけです。それ(メディア)以外の国民の知る権利に答える総務省としたら、頭の中に入れておかないといけない。あくまでそれは自主規制であり、私たちがそれを誰かに押し付けるという話ではない。そのことを申し上げます。

――重ねてで申しわけありません。フリーの岩上です。大変際どい質問でお答えできないかもしれませんが、今言った5つの原則はどう考えても、今現在小沢幹事長に対して行われている捜査およびそれに対する報道のあり方に関して、間接的な形であれ、警鐘を鳴らしたものという風に思われます。これについて個別のことは申し上げられないというお答えもあるとは思いますが、できれば原口大臣の方から、現在のある種、別件逮捕のような形、見込み捜査のような捜査の仕方、被疑事実が示されないまま、もうすでに小沢氏が容疑者であるかのように報道される推定無罪の原則が踏みにじられた状況、こうしたものに関して危惧(きぐ)の念を覚えていらっしゃいますか?

原口 それはまさに答えられません。今回、民放連の会長がやさしく私をたしなめてくださっていますが、「(報道のあり方についてコメントするのが)なぜ今か?」という問いをされて、「今、自分たちの身内がそうなっているからだろう?」と言われたのでは私の説得力はなくなります。私自身は前から申し上げていることで、国民の知る権利や安全な環境のもとで情報を取捨選択できるものを目指してきているわけで、今、この間も聞かれて答えているわけです。個別の案件について積極的にこのことをコメントすることは余計に控えたいと思っています。

Twitterの質問を受けて、つぶやきを確認する原口氏
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