そもそも「株」って何?ゼロからはじめる株式投資入門(4/4 ページ)

» 2013年10月25日 08時00分 公開
[三井智映子,Business Media 誠]
前のページへ 1|2|3|4       

為替

 さて、続いては為替です。そもそも為替とは現金のやり取りをせずに金銭の取引をおこなうこと全般を指すのですが、ここでいう為替とは外国為替のことです。外国為替、つまり2国間の金融取引の場合、その時々の円の価値によって、得をする企業、損をする企業と明暗が分かれます。

 円が他国の通貨よりも割安になる、いわゆる円安では、電機、自動車などといった輸出企業にとっては追い風になり、収益の押し上げ要因になります。また、日本を訪れる外国人旅行者が増えることで、ホテル、外食などのサービス業も恩恵を被ります。輸出企業など、外国の通貨で金融取引をおこなう、いわゆる外貨建て資産を保有している企業なら、円安の差益も期待できますね。

 一方、円高の場合は原材料や製品の仕入れコストが低下するため、小売業や外食産業などの輸入企業が好調になります。

 為替は政策によっても大きく左右されます。

 例えば中央銀行、日本では日本銀行がいっぱい紙幣を刷ってお金の量を増やす、いわゆる量的緩和政策は自国の通貨を増やすので円安になるわけです。また、今の株式市場では、日本株の7割以上を買っているのが海外投資家です。海外投資家にとっては日本企業の株価が上がっていても、円安が進行した場合には、例えばドル建ての株価の上昇率はそれほどでもなく、割安に感じることもあるので、さらに株価が上昇する可能性がでてくるのです。

 要は、日本経済の行路や世界経済の天候によって株価は揺れ動いていくのです。

起業収益

 最後の要因は企業収益です。

 株価の上昇が期待できるのは、まず、企業収益の上方修正ですね。売り上げや利益が予想を上回るほど順調なときですが、織り込み済みの場合は株価が期待ほどは上がらないこともあります。また、上方修正が予想されていたのにしなかった場合は、失望売りで株価が下がることもありえます。

 次に、新しい情報が企業からでた場合です。新商品のリリース、新事業への着手、新工場の建設などで企業の増益や成長が期待できるときですね。さらに、増配や復配です。配当が増えるとき、復活するときは企業の業績が良いということですから。最後は割安感です。株が売られすぎて業績より株価が割安になった場合です。

 これらの要素を見極めながら、株価が適正に推移していくかを判断してくださいね。

banner
前のページへ 1|2|3|4       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.