渋谷で女性も使っている――RIM小林氏「BlackBerryをコンシューマーにも訴求したい」:BlackBerry Bold 9900発売間近
「男性のビジネスパーソンが使っている」というイメージの大きいBlackBerryだが、最近は女性ユーザーも増えているという。RIMがBlackBerry製品全体、そして日本で発売間近となった「BlackBerry Bold 9900」の特長を紹介した。
リサーチ・イン・モーション・ジャパンが3月22日、NTTドコモから発売予定のスマートフォン「BlackBerry Bold 9900」の記者発表会を開催し、マーケティング部担当部長の小林盛人氏が、あらためてBlackBerry製品全体の概要や、BlackBerry Bold 9900の特長を説明した。
世界のBlackBerry販売数は1億8000万台
小林氏が「ナンバーワンスマートフォンのブランドだ」と話すBlackBerryは、世界でどれだけ支持されているのだろうか。まず、ユーザー数は世界で7500万人を超え、端末販売数は1億8000万台以上に上る。端末は175カ国、630の通信事業者に供給している。カナダに加え、インドネシア、英国、スペイン、オランダ、中東、南アフリカ、南米でもトップシェアを得ているという。BlackBerry向けアプリを入手できる「App World」では、約6万のアプリが提供されており、ダウンロード数は20億以上、アプリの開発者は40万人以上。iOSアプリの250億ダウンロード、Androidアプリの100億ダウンロードに比べるとまだ差はあるが、小林氏は「順調に成長している」とみる。BlackBerry同士でメッセージをやり取りできる「BlackBerry Messenger(以下、BBM)」は、5500万ユーザーが利用しているという。
「BlackBerryというと、例えば金融界のウォールストリートのサラリーマンが使うことを想像するかもしれないが、実はそれだけではない」と小林氏は話す。「例えば、オフィスで数人の社員とコミュニケーションするため、ミュージシャンやDJが友達とコミュニケーションをするため、パン屋が自分で作ったパンの写真をFacebookに上げて新たな客を呼び込むため、科学者が忙しい最中に子どもとコミュニケーションをするため――といったシーンで使われている。ライフスタイルを支えるツールとしてBlackBerryを提供している」とし、BlackBerryがビジネスパーソンに特化した道具ではないことを強調した。
小林氏はBlackBerryの特長の1つとして「スピード」を挙げる。これには「通信速度だけではなく、コミュニケーションのスピードが含まれる」と説明。例えばBBMではメッセージを即座にやり取りでき、相手の状況も確認できる。こうしたコミュニケーションのスピードをトータルで考えているという。肝心の通信についても、「専用サーバでネットワークを構築してパケットを圧縮することで、他のスマートフォンと比べて3倍以上のネットワーク効率化を図れている」とアピールした。
そして特に重視したのが「デザイン」だ。「スマートフォンは日々使われるものなので、個性豊かなデザインを目指したい。何の違いもないフルタッチの端末とは異なり、タッチとハードキーを実装するBlackBerry Bold 9900では“見るからにBlackBerry”という点を推している」と小林氏は力説し、「ビジネスパーソンのみならず、コンシューマーにも訴求したい」とした。BlackBerry Boldのコンセプトは「Be Bold」で、「自信を持って、もっと大胆に」といった意味が込められている。「どんな方でも、このツール(BlackBerry Bold)を持つことで今までの自分から脱皮できる」(小林氏)
BlackBerry Bold 9900は「3月中には発売」、NFCも搭載
日本ではドコモから発売予定のBlackBerry Bold 9900は、BlackBerryシリーズおなじみのQWERTYキーボードに、タッチパネル対応ディスプレイを搭載したモデル。約2.8インチのTFT液晶の解像度はVGA(480×640ピクセル)で、前モデル「BlackBerry Bold 9780」のHVGA(480×360ピクセル)よりも向上している。タッチパネルには独自技術「Liquid Graphicsエンジン」を採用し、最大60フレーム/秒という操作性を実現している。タッチパネルはマルチタッチ対応で、ピンチイン/アウトによる画像やWebサイトの縮小/拡大も可能だ。プロセッサーにはQualcommのSnapdragon「MSM8655」(1.2GHz)を備え、下り最大14Mbps/上り最大5.7MbpsのFOMAハイスピードも利用できる。OSは最新の「BlackBerry 7.1」をサポート。海外で発売中のBlackBerry Bold 9900のOSはBlackBerry 7.0だが、日本モデルでは一足早く7.1が搭載される(参考記事)。気になる発売日はまだアナウンスされていないが、「3月中には発売できるよう準備を進めている。発売の案内は直前になるのでは」(関係者)とのこと。
タッチ+キー操作を実現するBlackBerry Bold 9900のコンセプトは「Touch, Type, Together」。BlackBerryの顔でもあるQWERTYキーボードは「1つ1つのキーが微妙に削ぎ落とされていて、ブラインドタッチができるほど両手の親指がフィットする。この操作法はタッチパネルのみのスマートフォンでは無理」とアピールした。デザインについては「スペックでは語りきれないが、五感に訴えかけるデザインだと自負している」と胸を張る。積極的にコミュニケーションを図れるよう、FacebookやTwitterアプリをプリセット。「情報を得るだけでなく情報を発信することに重きを置いている。手にしたその日からソーシャルライフを満喫できる」(小林氏)
コンセプトの「Together」には、「一緒につながって新しい世界を作りましょう」という意味も込められている。BlackBerry Bold 9900には、BlackBerry 7.1の新機能として、NFCを利用して音楽、動画、画像、連絡先データなどを交換できる「BlackBerry Tag」を利用できる。ドコモのspモードにも対応し、キーの印字も含めて日本語をサポートするなど、日本向けのカスタマイズも施されている。「このスマートフォンを中心に新たな市場を作り、これからも日本でのビジネスを展開していきたい」と小林氏は力を込めた。
BlackBerryにはステータス感がある――平子理沙さん
イベントにはモデルの平子理沙さんも登場し、「BlackBerryの魅力」をテーマにしたトークセッションが行われた。「ガーリーなものよりメンズっぽい感じのものが好き」という平子さんは、BlackBerry Bold 9900のデザインやタッチパネル+キーボードの操作性を気に入った様子。海外の友達や甥もBlackBerryを使っているようで、BBMで頻繁に連絡を取っているとのこと。どんな人にBlackBerryを使ってもらいたいかを聞かれると、「BlackBerryは男性が使っているイメージがありますが、働く女性、主婦や学生の方など、女性にも使ってほしいですね。個性やステータス感があるので注目されると思います」と話していた。これを聞いた小林氏は「こういった方々を中心にビジネスが広がると嬉しく思う。製品でバグがあってもBlackBerryのデザインならOKと言ってもいいのかなと(笑)」とご満悦だった。
「BlackBerryというと男性、しかも一部のユーザーしか使っていないというイメージがあったが、最近は渋谷や青山近辺などで女性もBlackBerryを持っている方がいることを聞いている。こうしたトレンドが全国区に広がることを願っている」(小林氏)
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