2013年度中には150Mbpsまで高速化したい――KDDI石川氏が「4G LTE」の狙いを説明:まずは2.1GHz帯、iPhone 5から(2/2 ページ)
auのLTEサービス「4G LTE」が、iPhone 5発売と同日の9月21日から提供される。21日時点では2.1GHz帯を使った下り最大75Mbpsまたは37.5Mbpsの通信が可能。KDDIの石川雄三氏が、4G LTEの特長や料金サービスなどの詳細を説明した。
テザリングを利用すると500Mバイトが追加
4G LTEでは、スマートフォンをWi-Fiルーターとして使える「テザリング」を提供するのもトピックの1つだ。テザリングはLTEと3Gの両方に対応しているので、LTE圏外でも利用できる。「テザリングにより、スマホとPCでどこでもネット接続ができる」と石川氏はメリットを話す。ただしテザリングはオプションサービス扱いになり、ドコモのXiのようにパケット定額サービスの料金に含まれない。テザリングの利用料金は月額525円。別途料金が発生するのは不満が残るところだが、テザリングオプションとして525円を支払うと、LTE通信用に500Mバイトが追加され、テザリングを含むデータ通信に利用できる。したがって525円で500Mバイトの通信量を買うと考えることもできる。なお、iPhone 5の場合は、2012年末までに加入すると、テザリングの月額料金が2年間無料になる。
料金サービスは“シンプルさ”を重視
4G LTE用の料金サービスとして、月額980円(「誰でも割」契約時)の「LTE プラン」を新たに提供し、1時から21時までau同士の通話料は無料となる。無料通話分は含まれていない点については「現在提供している(同じく無料通話分なし、月額980円の)「プランZシンプル」がお客様に評価いただいている。また、プランのメニューが多すぎると何が得か分からないこともあるので、シンプルという観点から絞った」と石川氏は説明した。ただ、「1時~21時の通話料が有料だと困る、従量課金の部分を安くしてほしいという指摘もあるので、オプションを用意した」と石川氏が話すように、au電話との通話料が24時間無料となる月額500円の「au通話定額24」と、国内通話料が21円/30秒から10.5円/30秒と半額になる月額980円の「通話ワイド24」も提供する。
パケット定額サービスは月額5985円の「LTE フラット」のみで、通信量が7Gバイトを超過すると128Kbpsに速度が下がり、LTE通信を続けるには「エクストラオプション」として2625円/2Gバイトを購入する必要がある。なお、iPhone 5の場合は2012年12月末までにLTE フラットに加入すると、月額料金が2年間5460円に割り引かれる。それでも「95%のユーザーが7Gバイト以内の通信で済んでいる」(石川氏)そうなので、月額4935円で2Gバイトまで利用できるドコモの「Xiパケ・ホーダイ ライト」のような選択肢も欲しいところ。KDDIは料金の競争力を維持するために、LTE向けにも「auスマートバリュー」を提供し、お得感を訴求する考えだ。「スマートバリューを主力商品に位置づけているので、固定網とモバイル両方を使ってオフロードしながら利用するのが便利だと認識している」(石川氏)
「サービスはネットワーク、端末、料金、その他の複合によって評価いただく。トータルでは他社に負けることのないよう努力していきたい」と意気込みを話す石川氏。当初からテザリングを提供、4G LTE初号機のiPhone 5がまもなく発売など話題性も十分高い。まずは21日のiPhone 5発売と4G LTE開始を待ちたい。
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