ビジネスへシフト、音声定額も〜DDIポケット八剱社長

» 2005年01月18日 19時06分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

 2月2日に社名をウィルコムに変更するDDIポケット(10月14日の記事参照)。サービスブランド「エアエッジ」のロゴも変更し、社長にも、日本テレコムからDDIポケットに転身した八剱洋一郎氏を迎えた(12月10日の記事参照)。

 DDIポケットがウィルコム新体制で実現しようとしているビジョンはどんなものなのか。

ソリューションビジネスに注力

 「ウィルコムとして法人ビジネスを積極的に推進していきたい。法人は、要素を買ってきて組み立てる時代から、サービスごと買っていく傾向にある」

 1月18日の社長就任会見で、八剱氏はモバイル機器を使ったビジネスソリューションを強化していく方針を打ち出した。日本IBMやAT&T、日本テレコムなどを経てきた八剱氏にとって、ソリューションビジネスは手慣れたところ。

ウィルコムの事業戦略
1 データ通信の高速化
2 音声事業の拡大
3 R&D
4 ビジネスパートナーの拡大
5 サービスビジネスへのシフト
6 プラチナ世代への提言

 これまでもエアエッジを使う法人ユーザーは多かったが、「ほとんどサービスには手がついていない」と八剱氏。導入先の企業が自社で研究し、ニーズに最も適した通信端末としてエアエッジを選択した──というのが現状だったと話す。DDIポケットの営業マンがエアエッジのメリットをしっかり伝え、サービス込みで提案できるようにすることで、まだまだ市場は広がると見る。

 「PHSをより使いやすく使ってもらうための、サービスを含めて売っていきたい」(八剱氏)

 法人向けソリューションビジネスの売り上げやシェア目標などは明かされなかった。体制については「(パートナーと組むにしても)責任の所在が不明確な体制はよくない」とした。

 現DDIポケット会長の木下龍一氏も、「コンシューマー市場は9000万ユーザーを超え、かなりサチュレート(飽和)してきた。ただしビジネスマーケットには、まだまだ発展させる余地がある」と話す。副会長となった山下孟男前社長と共に「トロイカ体制でやっていきたい」とした。

プラチナ世代に向けた音声端末〜音声定額も

 法人向けソリューションビジネスと合わせて、八剱氏が力を入れたいとしたのがプラチナ世代(中高年)向け端末だ。

 特にアピールしたのは、PHSはいわゆる携帯電話に比べてSAR値(人体に吸収される電磁波の値)が圧倒的に小さいこと。「英国では8歳未満の携帯利用を制限したほうがいいという議論があるようだ」(八剱氏)と、PHSの“安心感”を強調した。

 併せて音声サービスでは、定額制を視野に入れて検討を進めていることを明言した。

 「ウィルコムは(ユーザーの)コストを下げるのが使命。音声とデータを組み合わせて25時間とか、音声の定額コースを作ったらどうなるか──などを検討している。機能的も価格的にも視野に入ってきた。それほど驚く価格にはならないだろう」(八剱氏)

 法人向けサービスでは同一契約内の音声定額制サービスもあるが、コンシューマーに向けて音声定額プランを打ち出したのはDDIポケットが初めて。ただし定額通話が可能なのは、「ウィルコム同士、あるいはパートナーシップを組める固定系事業者の電話」(経営企画部長の喜久川政樹氏)となる見込みだ。

現在は256kbps(8x)を圧縮サービス「MEGA PLUS」を利用してメガクラスの通信速度を達成しているが、「比較的近い将来、圧縮技術を使わなくともメガクラスを実現する」(八剱氏)という。新しい変調方式の導入で8xのままでも768kbpsまでのスピードアップが可能であり、接続チャンネル数を増やした第5世代のAIR-EDGE(IV)では512Kbps〜1.5Mbpsまで速度が上がる
PHS技術の特徴であるマイクロセルは、今後も強化していく。現在96%のエリアカバー率をさらに拡大。そして大都市部を中心に、大容量の基地局と基幹ネットワークのIP化により「厚みを持たせる」(八剱氏)

PHSのイメージ復権はなるか

 「PHSという“簡易型”のイメージを変えるのがどれくらい難しいか……」

 今後の最大のチャレンジは何か? と問われて、八剱氏はこう答えた。いわゆる“PHS”から“ハイブリッド携帯H"”というブランド名で、安かろう悪かろうというイメージからの脱却を図ったDDIポケット。モバイル定額制を先駆けて導入するなど、現ユーザーには高い評価を得るに至った。しかし、現在携帯電話を使っている一般ユーザーのイメージは、まだかんばしいものではない。

 PHSという技術の優位性を改めて打ち出し、携帯電話と真っ向から争うことを明らかにしたDDIポケット。「(PHSは)独自技術を使った将来が面白い業界」と評する、八剱氏の手腕に注目したい。

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年10月31日 更新
  1. 「iPhone Duo」は“我慢の連続” 歴代最重254g、Face IDなし……それでも満足できる人の条件が分かった (2026年10月30日)
  2. 若者が選ぶ流行語「チャッピー構文」ってなんだ? 「結論から言うね」なAIの口癖、実は人間のせいかもしれない (2026年10月30日)
  3. 楽天モバイル、1100万回線突破の背景に「通信品質向上」とOpensignalが分析 下り速度とカバレッジの課題は残る (2026年10月29日)
  4. LINEアプリ、旧バージョンと旧OSのサポート終了へ アップデートを呼びかけ (2026年10月29日)
  5. 東日本初の直営拠点「mineo 渋谷」が閉店 オプテージ広報に聞く閉店理由と今後のリアル接点 (2026年10月30日)
  6. ドコモSMTBネット銀行、「V NEOBANK」後継の「NEOBANK CASH」を2027年3月29日に提供開始 (2026年10月30日)
  7. ミークのIoT SIMに楽天モバイル回線を追加、国内初の「4キャリア」対応 月額50円の「休止プラン」も (2026年10月29日)
  8. 「arrows Alpha2(8GB+256GB)」、IIJへMNPで約3万円割引 11月4日まで【スマホお得情報】 (2026年10月29日)
  9. auが通信品質10部門で単独首位、追うソフトバンクは「小差」 5G SA利用率3.8%の課題も Opensignal調査 (2026年10月28日)
  10. 日本通信のフルMVNOサービス、開始時期を5カ月延長へ 「テクニカルな課題が判明」 (2026年10月28日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー