「WiMAXは4Gワイヤレス技術になる」とAT&T幹部

» 2005年03月15日 12時43分 公開
[IDG Japan]
IDG

 米AT&Tは5月第1週から、ニュージャージー州の企業2社に対して、WiMAX技術を使った新しいブローバンドサービスを商用トライアル用に提供する。このサービスは2006年に本格展開が予定されている。

 AT&Tの最高技術責任者(CTO)兼情報統括責任者(CIO)のホセイン・エスラムボルチ氏によれば、今回の試験運用は今後の流れを創出するための契約という。

 「WiMAXは第3世代(3G)ネットワークの後を受け、第4世代(4G)ワイヤレス技術となるだろう」と同氏。

 エスラムボルチ氏によれば、「全米に流通網を持つ、かなり大規模な小売企業」とニュージャージー州ミドルタウンのもう1社が、WiMAX技術を使ったAT&Tの新サービスの初めての商用トライアルに参加する。

 「これらの顧客向けに、VoIPサービスのほか、ビデオ、インスタントメッセージング(IM)、Game over IPなどをテストしている」と同氏。ただし同氏は、顧客名は明らかにしていない。

 WiMAXはIEEE(米国電気電子学会)の802.16規格に準じたもので、700MHz〜66GHzの周波数帯を用い、見通しのきかない場所の場合、半径2マイル(3.2キロメートル)の範囲で2M〜6Mbpsのデータ伝送速度を提供する。見通しのきく場所の場合、速度はもっと速く、電波をカバーする範囲も広くなる。

 この技術は3G有線ブロードバンドの競合技術あるいは補完技術として語られることが多いが、AT&Tで技術戦略を担当するエスラムボルチ氏は、WiMAXは3Gよりも優れており、多くの点で有線ブロードバンドの代替になると考えている。

 同氏によれば、WiMAXはほかのワイヤレスネットワーキング技術が個別に提供する利点を組み合わせることで、オフィス、家庭、モバイルユーザーそれぞれのニーズに応えられる。

 可動性や移植性、固定インターネットアクセスを1カ所に集中させられる利点に加えて、エスラムボルチ氏にとってはコスト要因も需要という。

 「当社では地域電話会社に年間85億ドルを支払い、企業顧客や消費者向けのキャパシティを確保している。米国では27万棟のオフィスビルのうち、当社と有線接続しているのはわずか7000棟のみであることから、ローカルアクセスは当社にとって非常に重要な競争の場となる。WiMAXは当社のコストを下げるのに適した役割を果たす」と同氏。

 Journal of Network and Systems ManagementのIEEE編集局の一員でもあるエスラムボルチ氏は、ワイヤレスブロードバンド技術には、無線LAN標準のWi-Fi以外に世界的な標準がないと指摘している。

 「私は個人的には、WiMAXが世界標準になると考えている」と同氏。

 ミドルタウンでのトライアルは、Intelのハードウェアを使って実施される。Intelは既に、ラテンアメリカ、中国、米国のキャリアとともに、WiMAXネットワーク導入の取り組みに参加する意向を示しており、WiMAX製品向けのワイヤレスブロードバンドチップの開発を進めている。

 エスラムボルチ氏によれば、AT&Tは今年10〜12月期には、米国のさらに別の2カ所で顧客向けの実地試験を行う計画という。

 AT&Tのトライアル向けに米連邦通信委員会(FCC)が許可した試験ライセンスでは、2GHz〜3GHzがカバーされている。

 AT&Tは米国で昨年、初めての商用3Gサービスを始動した。

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