韓国でゲームといえば、デスクトップPCで楽しむオンラインゲームのイメージが強いが、最近ではポータブルゲーム機や携帯電話向けゲームの人気も高い。ポータブルゲーム機ではSCE Koreaの「PSP」が圧倒的人気を誇る一方、携帯向けゲームの大半は韓国産で、海外へ輸出する動きも目立っている。韓国のポータブルゲームの現状を追った。
韓国市場で人気のポータブルゲーム機といえばSCE KoreaのPSPだ。SCE Koreaによると昨年5月の発売以降、PSP本体の販売数量は累積23万台。ソフトウェアは累積55万本となっている。地下鉄やバス内でゲームをしたり動画を楽しんだりするPSPユーザーの姿は、すっかりお馴染みとなった。
韓国版PSPといえば、日本に先駆けて公衆無線LANサービスに対応したことで有名だ。それを可能にするネットワーク対応のディスクがNUD(Network Utility Disc)であり、韓国でPSP躍進の原動力ともなっている。
そのNUDが、今年に入りさらに進化を遂げた。それが韓国市場向けに独自開発され、2月から配布が始まったPUD(Personal Utility Disc)だ。従来のネットワーク接続機能に加え、大手携帯キャリアであるKTFの音楽配信サービスである「dosirak」をはじめ、電子ブックおよび漫画、動画など、より多様なコンテンツに対応している。SCE KoreaとKTFは昨年10月に提携しており、PSPのdosirak対応のほか、KTFの代理店でPSPの販売も同時に始まった。
SCE Koreaは2月から、オンライン申請をしたユーザーにPUDの無料配布を行っている。配布数は先着3000人で、これを超えた場合の対応は現在検討中だという。
韓国のPSPゲームは日本メーカー製がほとんどで、現在販売中の全49種のうち、韓国メーカー製は8種類程度しかない。そのためSCE Koreaと韓国ゲーム産業開発院が共同で、韓国のゲームメーカーを対象にしたゲーム公募展を開催するなど、オリジナルのゲーム開発に取り組んでいる。
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