ワンセグに求められるのは「規模」と「独自性」――KDDIとテレビ朝日の共同検証(1/2 ページ)

» 2006年12月08日 22時20分 公開
[平賀洋一,ITmedia]

 KDDIとテレビ朝日は12月8日、3月に発表したワンセグ共同事業検証の結果報告を行った(3月26日の記事参照)。この事業は、ワンセグ携帯の利用動向の把握やセールスプロモーション媒体としての有効性、デジタルコンテンツ事業・EC事業の効果などを調査し、テレビと携帯を連携させたビジネスモデルを確立するため、4月から9月にかけて試験サービスとして行われた。

photo 左からテレビ朝日 事業局デジタルコンテンツセンターの小西裕之氏と前田寿之氏、編成局編成部の西勇哉氏。KDDI メディアビジネス部 神山隆氏、家中仁氏

10代、50代の利用が目立つワンセグ放送

 事業検証の開始前と現在との大きな違いは、ワンセグ放送に対応した端末の台数だ。KDDIだけでも10月22日の段階で100万契約を突破している。利用率についても、月1回以上ワンセグを利用するユーザーが53%と高い数値を示した。

 KDDI メディアビジネス部の家中仁氏は「ワンセグの利用者は、世代に偏りがない。これまでモバイルインターネットになじみがなかった50代以上のユーザーにも、広く受け入れられている」と話し、これまで携帯電話の機能を使いこなせていなかった高年齢層の、端末接触機会が増えていると解説した。

photophotophoto ワンセグは各年代で偏りがなく利用されている(左)。昼休み時間のほか、深夜などプライベートタイムでの利用が多い(中央)。固定テレビと比べると、視聴時間の長さは雲泥の差だ(右)

 ワンセグでよく視聴する番組として挙げられたのは、スポーツ中継や災害報道などのリアルタイム性のある番組。検証期間中にもっとも見られた番組は、8月に甲子園で行われた高校野球の決勝戦とその再試合で、同じく8月に起きた首都圏の大規模停電時にも通常の1.7倍となるワンセグ視聴実績があったという。

 視聴時間については全世代とも20時前後がピークで、若年層では深夜の視聴が最も高くなっている。これはリビングではなく自室でのプライベートテレビとして利用されているためだ。また、12時前後の昼休み時間の利用も多い。家中氏は「ワンセグは、外出時や自室での時間に視聴されることが多い。固定テレビにはない視聴期間を新たに獲得している」と推測する。

 100万契約を突破したauのワンセグ携帯だが、それでもまだ全契約数の4%に過ぎない。また、視聴時間も固定テレビが1日約3時間55分(NHK放送文化研究所調べ)なのに対し、ワンセグは月4時間程度(独自アンケート調べ)で、固定テレビの30分の1とまだまだ少ない。

 「テレビと携帯を連携させたビジネスで最大効果を狙うには、ワンセグ+携帯だけでなく、固定テレビ+携帯という従来の方法も欠かせない」(家中氏)と結論づけた。

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