“バイオチップ携帯”実現への第一歩──ドコモと東大が分子配送実験に世界初成功

» 2008年03月27日 17時35分 公開
[ITmedia]

 NTTドコモは3月27日、東京大学大学院総合文化研究科の須藤和夫教授、東京大学生産技術研究所の竹内昌治准教授との共同研究で、生体分子を使って情報を伝達する「分子通信」実現の第1歩となる分子配送実験に世界で初めて成功したと発表した。

 分子通信は、人体の興奮や感動、ストレス、病気などの情報を分子で伝送できる通信技術で、既存の電磁波を使った通信技術を補完するものに位置づけられる。実用化されれば生化学分析器(バイオチップ)を搭載した携帯電話などが開発できるという。バイオチップ携帯では汗や血液に含まれる生体分子を直接検査し、健康状態の分析やストレス診断を行う、といったことが可能になる。バイオチップで検査した結果を携帯電話で送信することで、高度な健康管理や予防医療、水質検査、相性占いといったさまざまな分野での活用が期待されている。

Photo “バイオチップ携帯”の実現イメージ。携帯電話にバイオチップを搭載し、検査対象となる汗や血液に含まれる生体分子から病気などの診断を行い、分析・診断結果を医療機関へ送信することで、簡単・手軽に高度な健康管理が可能になる

 今回の実験では、化学エネルギー(分子の化学反応によって取り出されるエネルギー)によって動作するモータータンパク質(化学エネルギーを使って自律的に運動するタンパク質。体内で筋肉の力の発生や細胞内の分子輸送などを担う)と、人工的に合成されたDNAとを利用して、特定分子を特定の場所に配送することに成功した。

Photo 一本鎖(いっぽんさ)DNA同士の二本鎖(にほんさ)形成反応によって、特定分子を輸送担体へ荷積み(1)、特定分子を荷積みした輸送担体を、モータータンパク質による駆動力で伝送(2)、DNAの鎖交換反応によって、特定分子を輸送担体から荷降ろし(3)という方法での実験に成功した。この分子配送機構には、外部電源や外部制御がいらないという特徴がある
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