KDDIが「au Flex Style」で“とがったスマホ”を扱う理由 単に「SIMフリーを持ってきた」とは違う安心感とは(1/3 ページ)

» 2026年06月03日 12時30分 公開
[石野純也ITmedia]
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

 キャリアが販売するスマホは、基本的にキャリア側の仕様にのっとったもので、一部の機種を除くと、そのキャリアごとに専用型番も付与される。それぞれのアプリも内蔵されるのが一般的だ。こうしたキャリアモデルとは別に、オープンマーケットで流通する端末を、キャリアが販売する動きが顕在化している。KDDIが4月にスタートした「au Flex Style」も、その1つだ。

au Flex Style au +1 collectionでオープン市場向けスマートフォンを扱う新ブランド「au Flex Style」

 au Flex Styleは、アクセサリーやIoT機器を販売する「au +1 collection」の枠組みで、オープンマーケットモデル(SIMフリーモデル)を販売するブランド。もともと、au +1 collectionでも、ASUSやTCLが手掛けるスマホを販売していたが、それを独立させてブランド化した形になる。第1弾として、Nothing Technologyの「Nothing Phone (4a)」や、OPPOの「OPPO Find N6」をそろえており、話題を集めた。

 AI端末などの製品販売は、KDDIの中期経営戦略でもコンシューマー向けの「パーソナルグロース領域」に定められており、今、同社が注力している分野。au Flex Styleで販売するスマホも、その一環と捉えることができる。その方針や戦略を、KDDIでau Flex Styleを担当するコア事業推進本部 商品需給部 部長の梅垣亘隆氏と、同関連商品2Gのグループリーダー 西田麻衣氏、同コアスタッフの高久沙央理氏に聞いた。

コストを掛けずに届けつつも、ネットワークの接続性は担保する

―― もともと、au +1 collectionは、アクセサリーを販売するブランドでした。au Flex Styleの前身として端末販売も行っていましたが、なぜキャリアモデルがある中で、オープンマーケットの端末を手掛けていたのでしょうか。

au Flex Style 梅垣亘隆氏

高久氏 これはau Flex Styleにも通じるところがありますが、キャリアの端末は、幅広いお客さまに受け入れられるモデルを今まで提供してきましたし、これからも提供していきます。一方で、そういった端末ではアプローチできなかった、より機能面でとがったものをチャレンジの一環として採用したのが始まりになります。

梅垣氏 auのラインアップにしようとすると、ネットワークの試験から始まり、アプリのプリインストールまで、工数が増え、それなりのロットが必要になってきます。ただ、そこまでの数を用意できないものの中にも、ファンがいる製品はたくさんあります。その中で、より早く、そして確実に、コストをかけることなくお客さまにお届けしようとすると、そのまま持ってくるのが一番早い。他で出ているものを変更せず、そのまま届けています。

 ただし、ネットワークの接続性だけは担保しなければなりません。「au Starlink Direct」を発表した際にお話ししていたことですが、KDDIでは、「au OPEN DEVICE DEVELOPER SITE(ODDS)」という仕組みがあり、ここでいわゆるIOT(インターオペラビリティテスト=相互接続性試験)を行っています。SIMフリーモデルも、このODDSでKDDIのネットワークでの接続性を担保した上で販売しています。

 単にSIMを挿したら動きました、というのではなく、きちんと通信のプロトコルに準拠しているかどうかの試験も行っています。ある程度試験内容は簡略化されていますが、きちんと接続性を担保できるかどうかの項目については、一般にも公開しています。

au Flex Style KDDIネットワークとの接続試験が完了した端末を公開している「au OPEN DEVICE DEVELOPER SITE」。au Starlink Directに対応する機種も確認できる
au Flex Style 西田麻衣氏

西田氏 日本独自の緊急呼や、緊急地震速報への対応などは守らなければなりません。この試験を消化することで、対応できていることが担保されます。ですから、単に「SIMフリーモデルを持ってきました」というものとは安心感も違ってきます。

 私はau +1 collection歴が長いのですが、パートナーの数で言えば、auモデルでお付き合いする方がよりもたくさんいらっしゃります。各パートナーから、こういうモデルがあるというお話はいただいたのですが、ODDSができるまでは指をくわえて見ているだけの状態でした。このサイトがあることで、連携を取れるようになりました。

 今回、au Flex Styleとしてブランド化することで、改めて多くの方に広げていきたいと思います。緊急時に使えないということがなく、かつとがったモデルもご用意しています。

Find N6のオレンジは想定以上の反響 Nothingとも方向性が合致

―― 実際、au Flex Styleとして始めたOPPOのFind N6は、すぐに完売してしまいました。手応えは大きかったのではないでしょうか。

高久氏 Find N6のオレンジ(ブロッサムオレンジ)は、われわれの期待を大きく超える好評ぶりでした。大変ありがたいと思っています。

au Flex Style OPPO Find N6のブロッサムオレンジは発売してすぐに品切れとなってしまった

―― Nothingも入れて、ラインアップが拡大しています。とがっていることは確かですが、スペック的には一般受けもしそうだと思いました。

au Flex Style 高久沙央理氏

高久氏 ラインアップの拡充は積極的にやっていこうと考えています。今まではROG Phoneのように、機能に特化したギークな端末が多かったのですが、だんだんとSIMフリーの端末を購入される方も裾野が広がっています。Nothingさんにはコアなファンもいるので、そういった方々にアプローチしていく試みとして採用しています。

梅垣氏 キャリアが取り扱うメーカーの端末は似通ってきているため、店頭の展示でも差別化ができていない状況です。そんな中、Nothingさんは楽天モバイルさんが店舗でも展開し、特色ある魅力的なメーカーだと感じていました。auショップ、au Styleの店舗に行ってみよう、足を運んでみようという動機づけになってくれればいいなということで、一部店舗では展示、販売することになりました。

―― オープンマーケットモデルは、リアルな店舗での販売が弱かったりもするので、これはNothingにとってもいい話になりそうですね。

梅垣氏 Nothingさんからも、ありがたいというお声をいただいています。われわれにとっても店舗の魅力化になり、あそこに行けば見られるという差別化にもつながります。

高久氏 Nothingさんのお話だと、認知度がまだまだこれからという状況だとうかがっています。日本の多くの方々に新しい選択肢があることを知っていただく役割ができたらうれしいですね。

梅垣氏 Nothingさんとは方向性も合致しました。

au Flex Style Nothingのスマートフォン、Phone (4a)も扱う
       1|2|3 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年09月05日 更新
  1. 楽天モバイルが「自動解約」を予告 11月末までに楽天ID連携しないと電話番号失効へ (2026年09月02日)
  2. スマホのメイン利用キャリアは「ドコモ」が圧倒、満足度トップは「povo」 MMDの調査より (2026年09月03日)
  3. スマホで久しぶりにワクワクさせられた「Galaxy Z Fold8」のカタチ パスポートサイズで完全に恋に落ちた (2026年09月03日)
  4. モトローラ初の横開き「razr fold」はなぜ生まれた? FeliCa搭載やIIJmio「10万円引き」の狙いを直撃 (2026年09月02日)
  5. 横長の折りたたみ「Xiaomi 18 Fold」を中国発表へ 自社開発チップ搭載、折りたたみiPhone発表前に先手? (2026年09月03日)
  6. 光回線のバックアップにモバイル回線を――KDDIが新インターネットサービス「auひかりプラス」の提供を開始 ISPは3社から選択可(順次拡大予定) (2026年09月04日)
  7. WAON POINTやAEON Payのキャンペーンまとめ【9月4日最新版】 ポイント10〜20倍の獲得チャンス多数 (2026年09月04日)
  8. 「Galaxy Z Fold8」の極薄ボディーを実現した新技術「Flex Titanium」開発秘話 一方でトレードオフの機能も (2026年09月04日)
  9. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  10. 2.07型の大画面&最大20日連続使用できるスマートウォッチ「Amazfit Bip Max」、楽天市場で約1.7万円 (2026年09月04日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー