ブラックサイト「携帯電話がハッキングされたの!」Mobile&Movie 第304回

» 2008年04月25日 12時53分 公開
[本田亜友子,ITmedia]
作品名ブラックサイト(Untraceable)
監督グレゴリー・ホブリット
制作年・製作国2008年アメリカ作品


 今回ご紹介する作品は、FBI捜査官が“ネット殺人”に立ち向かう『ブラックサイト』。犯人はインターネットを駆使し、個人情報を集め、標的を追い込んでいきます。

 ジェニファー(ダイアン・レイン)は、オレゴン州ポートランドに住むFBIのサイバー犯罪のエキスパート。コンピューターウィルスから詐欺サイト、ポルノサイトまで、増え続ける捜査対象と日々格闘していました。後輩グリフィン(コリン・ハンクス)とともにサイト作成者を調べ上げ、時には監視カメラの映像まで入手し逮捕していましたが、最近は進化する巧妙な手口に頭を抱えるばかり……。

 そんなジェニファーが安らげるのは家族と過ごすひとときだけ。夫亡き後は母のステラ(メリー・ベス・ハート)、8歳の愛娘アニー(パーラ・ヘイニー=ジャーディン)と娘と愛猫とで仲良く暮らしていました。娘の誕生日が間近にせまり、当日のパーティの演出を考えるのも、ジェニファーにとっては気分転換になっていました。

 ある日、ジェニファーのもとに「kill with me.com」というサイトの情報が寄せられます。サイトにアクセスすると、かごに閉じ込められた子猫の姿がライブカメラで撮影されていました。そのサイトへのアクセス数が上がれば、その猫がカメラの前で殺されるという残虐な仕掛けに、ジェニファーは苛立ちを隠せません。すぐにサイトを強制閉鎖しても、アドレスは絶えず変更され、無限にコピーを繰り返していくばかり。その巧妙なやり方にジェニファーは恐れを抱きますが、FBIの上層部は「kill with me.com」の使用サーバが管轄外のロシアにあることを理由に、捜査に力を入れようとはしませんでした。

 衰弱していく子猫の映像が一週間ほど流された後、ジェニファーが恐れていた事態が起こります。「kill with me.com」で、今度は人間がターゲットになってしまったのです。またもやアクセスが増えれば増えるほど、殺人が早まる仕組みで、サイト閲覧者が殺人の共犯者になるというのです。映像を解析したところ、監禁されているのは地元ポートランドの男。家族によると、アメリカンフットボールのチケットを譲り受けるために外出し、そのまま戻らなかったというのです。男はメールのやりとりで、おびき出された可能性が……。

 ジェニファーは地元の刑事ボックス(ビリー・バーク)とともに、メール送信者の割り出しに全力をつくします。しかし、ジェニファーたちが必死に捜査している間にも、サイトのアクセス数は増え続け、男はどんどん衰弱し、やがて息絶えてしまいました。

 後味の悪さを抱えたまま、ジェニファーは娘アニーの誕生日当日を迎えます。グリフィンやボックスも訪れ、事件を忘れて賑やかに過ごしていましたが、パーティ中盤でジェニファーをはじめ、関係者の携帯電話が一斉に鳴り出します。犯人が次のターゲットをまた監禁し、サイトでライブ中継を始めたのです。

 「アニー、行きたくないけど、とても大事な用ができたの」

 娘に言い聞かせて、パーティ開場を後にするジェニファー。噂が噂を呼び、「kill with me.com」のアクセス数はさらに倍増。犯人はさらに暴走していき、やがてFBIまで標的に。ジェニファーもまた、犯人に狙われる身となります。サイバー犯罪の専門家の立場でありながら、犯人を突き止められないもどかしさ。さらにジェニファーの個人情報まで、犯人は巧みに入手していきます。

 「携帯電話がハッキングされたの!」

 逆にジェニファーが犯人に追い詰められていきます。いったい犯人の素顔とは? そして犯人の目的とは? クライマックスは、ジェニファーと手に汗握る直接対決が!

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2024年03月29日 更新
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