9時42分に、未来が呼んでいる――「WWDC 2008」直前リポートWWDC'08いよいよ開幕(1/3 ページ)

» 2008年06月09日 23時36分 公開
[林信行,ITmedia]

今年のWWDCの主役はMacではなくiPhone

 アップルが主催する毎年恒例の開発者会議「Worldwide Developers Conference」がまもなく始まる。イベントのオープニングを告げるアップルのスティーブ・ジョブズCEOと、その側近らによる基調講演は、米国時間6月9日午前10時ごろ(日本時間10日午前2時ごろ)に開始予定だ。

 例によって基調講演では、さまざまな新製品の発表が予想されている。ここではそのいくつかを紹介しよう。

WWDC開幕前日のサンフランシスコ。会場はジョブズ氏お気に入りのMoscone Westだ

ついに登場?「3G版iPhone」

「The Future Calling――未来が呼んでいる」とうたう「OS X iPhone」の横断幕。描かれたiPhoneをよく見ると、午前9時42分を指している。基調講演での重大な発表はちょうどこの頃に行われるのだろうか?

 今回、発表されることがほぼ確実とみられているのは、日本でも利用できる3G対応版のiPhoneだ。もっとも、これに関しては、従来の製品に比べて薄くなるという情報もあれば、厚くなるという情報もあり、いやいや新iPhoneが2つ発表される、というウワサまである。

 iPhoneが2種類発表されるというウワサの内容は、1つが日本でも売られるハイエンドの3G版で(従来製品よりやや厚い?)、もう1つが3Gに対応していない廉価版。こちらは従来製品よりもかなり安価になるのに加えて、薄型化も実現すると言われている。

 このほか、新しいiPhoneに関しては、本体裏側が全面黒いプラスチックである、というウワサや、白いプラスチックである、というウワサも流れているし、位置情報確認の手段としてSkyhook Wirelessの無線LANを使った位置特定技術や、Googleの携帯電話の電波を使った技術に加えてGPSも内蔵される、というウワサもある(そう、みんな新しいiPhoneのウワサをしている)。

 いずれにしても新しいiPhoneでは、例えば、写真におおよその緯度/経度を入力したり、メールをしたりなど、位置情報を使った機能がかなりいろいろと強化されそうだ。

 現行のiPhoneにはGPSは内蔵されていないものの、アップルのiPhoneで採用され注目を集めたSkyhook Wirelessに投資が集まり、現在、同社の技術はものすごい勢いでデータ量が増え、位置特定の精度が上がり始めている。これは米国内だけのことではなく、日本においてもそうだ。

 Skyhook Wirelessや日本のKoozytが採用している無線LANを使って位置を特定する技術は、屋根の下でも位置特定ができたり、どのフロアにいるかも位置特定できたりとGPSよりも優れている点も多い。

 新iPhoneでGPSが採用されるとしたら、それはあくまでも、周囲にあまり無線LANの電波がない郊外などで、補完的に使うためのものだろう。ハードウェアに関しては、このほかにも有機ELの採用や、CPUとしてAtomが採用されるというウワサもささやかれている。

3G同様に重要なのが「iPhone 2.0」

 さて、iPhoneに関する発表で、本体の発表以上に重要なのが、新OS「iPhone 2.0」だ。この新OSでは、ついにアップル以外が提供するアプリケーションの実行が正式に可能になる。アップルは今月中にも「App Store」というアプリケーション販売サービスを開始予定で、そこを通してメジャータイトル数タイトルを含む数多くのアプリケーションが購入可能になるはずだ。

 iPhone関連の開発には、ものすごい勢いがある。ゲームやメディアプレーヤー系など、メジャーな会社が数多くのiPhone用ソリューションを準備中で、日本でもかなり多くの開発社がすでに開発キットを手に入れて製品の開発にのぞんでいる模様だ。こうした他社の努力によって、今後iPhoneが、PSPやニンテンドーDSに迫る第3のポータブルゲームプラットフォームになる可能性もある。

 その一方で、iPhone 2.0では企業システムとの連携機能も強化されているため、企業市場で強かったR.I.M.のスマートフォン「Blackberry」を猛追する可能性も高い。iPhone 2.0では、他社製アプリケーションの実行や、企業システムとの連携のほかにも、いくつか登場がウワサされている機能がある。

 1つは高速な3G通信にあわせてビデオチャットができるというものだ。しかしこれは、アップルが電話キャリアに配慮して、通話の置き換えになるような機能を避けてきたこと、そしてアプリケーションを開発している他社にもそのようなアプリケーションの開発を禁じていることから可能性は低いだろう。

 ただし、3G携帯電話ということで、キャリアの回線を使ってのTV電話というのであれば話は別だ。これなら実現するかもしれない。もし、アップルがMac OS X付属のLeopard版iChatのビデオチャット技術をそのままTV電話機能に応用したら、TV電話の体験はかなり変わり、利用者は増えるかもしれない。このほかにも、内蔵カメラの高画素化など、高速な3Gネットワークを生かすべき改良が加えている可能性は十分期待できる。

 また、システムの本質の部分で、例えば日本語入力オプションの増強などが行われるというウワサもある。インターネットでは早くから今日の日本の携帯電話のように数字パッドを使った親指入力ができるキーボードリソースなどが流出(あるいはねつ造)されている。英語キーボードに比べてキーが小さく誤操作がおきやすい現在のキーボードと比べて、親指入力キーボードなら、人によってはより速く正確な文字入力ができるかもしれない。もちろん、従来の日本語入力環境も、強化されることが期待されている。

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