スマホ普及で公衆無線LANの利用も激増――新局面への布石を打つワイヤレスゲート(1/2 ページ)

» 2012年02月09日 01時00分 公開
[平賀洋一,ITmedia]

 スマートフォンの普及で再び注目を集めている公衆無線LANサービス。かつては駅のホームや構内、空港、喫茶店などが主なスポットだったが、最近はファストフード店やコンビニなどでも利用できるようになった。

 公衆無線LANを提供している事業者には2種類ある。1つは、自らがインフラを設置してサービスを販売する形態で、「HOTSPOT」(NTTコミュニケーションズ)や「BBモバイルポイント」(ソフトバンクテレコム)が代表的な存在だ。携帯電話キャリアのNTTドコモも「Mzone」を展開しており、KDDIは傘下のワイヤ・アンド・ワイヤレスが運営する「Wi2 300」とUQコミュニケーションズの「UQ Wi-Fi」を使った「au Wi-Fi spot」を提供。またソフトバンクモバイルにも、自社が設置するスポットとBBモバイルポイントを組み合わせた「ソフトバンクWi-Fiスポット」がある。

 これとは別に、自社でインフラを持たないMVNO形式の事業者も存在する。無線LANのエリアは“スポット”と呼ばれるだけに、1つ1つの範囲が狭く、設置する店舗や施設の都合で使える無線LAN事業者が限られる場合も少なくない。また、エリアをカバーするためにそれぞれのサービスに加入すると、料金的にも負担が大きくなる。こうした不満を解消するために、各社のサービスを1つのサービスにまとめて提供するのがMVNO形式の公衆無線LANサービスだ。1つのIDで各サービスをまたがって利用できるうえ、料金的にも別々に加入するより安く利用できる。

 MVNO方式の公衆無線LAN事業者で代表的なのが、「WirelessGate」を運営するワイヤレスゲート(2011年3月にトリプレットゲートから社名を変更)。1月末の有料会員が30万人を超え、無線LANのほかにWiMAXのMVNO展開も行っている。1月24日には、同社の無線LANスポットにログインするとポイントが付与される接続アプリの「WGConnect for Android」をリリースし、海外の公衆無線LANスポットを利用できる国際ローミングサービスも開始した。

 ワイヤレスゲート代表取締役CEOの池田武弘氏と取締役COOの原田実氏に、新アプリの開発経緯や、WirelessGateの今後について話を聞いた。

photophoto ワイヤレスゲート代表取締役CEOの池田武弘氏(写真=左)と取締役COOの原田実氏(写真=右)

余力のあるうちに次の一手を

 ワイヤレスゲートは、2009年にスマートフォン向けのWirelessGate接続アプリ「WGConnect」をリリース。今回の新しい“WGConnect”はそれを置き換えるだけでなく、ポイントサービスの提供も開始。また、スポットにログインした情報をFacebookに投稿できるSNS連携も行える。単なる接続用ツール――とも捉えられるアプリに付加機能を追加した理由について、池田氏は「無線LANを使うことを楽しんでもらうため」と説明する。

photophotophoto 「WGConnect for Android」

 「これまでのアプリはログインするだけのものでした。新アプリでは、WirelessGateを利用することでポイントがためられ、通信そのものが楽しみになる。Facebookとの連携も同様です。自分がどこでなにをしているのかを投稿するソーシャルメディアの“目的”を、無線LANの接続という“手段”で実現できます。このほかにも新しいWGConnectは、アプリのスキンを変えられるなど、楽しんで使うための工夫を盛り込みました」(池田氏)

 WGConnectで得られるポイントは、1ログインに付き1ポイント。ポイント数に応じてランキングも表示され、ほかのユーザーとのゲーム感覚でアプリを楽しめる。また、まとまったポイントを商品と交換することも可能だ。ポイント付与のロジックを変えることでスポットによってはより多いポイントがもらえたり、アイテムがもらえる“宝探しゲーム”も提供できる。位置情報共有アプリにも通じる仕掛けだが、池田氏は「公衆無線LANも場所ありきのサービスですから、位置情報を共有するアプリと楽しみ方は似てくるかもしれません」と否定しない。なお、SNS連携はアプリでオプトアウトできるため、不要であれば使わない選択肢もある。

 さらに原田氏は、「ポイント制度の特徴としては、無線LANスポットを設置している店舗や施設のプロモーションにも利用できる点も挙げられます。あるスポットで付与するポイントをアップしたり、アイテムのダウンロードなどのキャンペーンを行えば、そこへの集客効果が期待できます」と、施設側のメリットも強調した。

 新しいWGConnectではスポット検索機能もアップしており、スポットの情報も詳細に表示できるようになった。施設や店舗の要望があれば、スポット情報に広告コンテンツを配信することも可能だという。現在はAndroid版のみだが、iPhone版の開発も進んでいる。広告展開をにらんだ仕組み作りができるのも、利用者が多いという30万人という会員数があってこそと言えるだろう。

 「WirelessGateの有料会員は現在30万人を超えています。無線LANをインテグレートしている事業者では国内最大といっていいでしょう。事業そのものは順調ですが、モバイルやワイヤレスの市場環境は大きく変わりつつあります。余力のあるうちに次の一手を打っておきたい。それがポイント制度やSNS連携を導入した狙いでもあります」(池田氏)

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