スマートフォンの本格普及 デバイスの進化や関連ビジネスに与える影響は?Mobile IT Asia(1/2 ページ)

» 2012年03月16日 23時00分 公開
[平賀洋一,ITmedia]
photo NTTドコモの阿佐美氏

 2010年度に855万台だった国内のスマートフォン市場は、2011年度に約2000万台まで急成長。年間に出荷されるすべての携帯電話のうち、すでに半分がスマートフォンになっている。各キャリアやメーカーが新製品としてラインアップする端末も、ほとんどがスマートフォンへと移り変わり、タブレット端末も普及の兆しが見え始めた。

 キャリアやメーカーの予想を超える勢いで爆発的に普及しているスマートデバイスは、モバイルビジネスをどう変化させ、ユーザーの生活をどのように変えるのか? NTTドコモ 執行役員でスマートコミュニケーションサービス部長の阿佐美弘恭氏が、スマホ本格普及に向けたキャリアの取り組みについて講演を行った。

ブレークのきっかけは女性ユーザー

 ドコモは、2011年度のスマートフォン販売目標を850万台と設定しており、第3四半期までに553万台を販売。「(目標達成は)ちょっと難しいかもしれないが、今がんばっているところです」という阿佐美氏だが、2011年度の各四半期実績は昨年同期比をそれぞれ上回っていることを挙げ、スマホ拡販への手応えを示した。

 中でも阿佐美氏が注目しているのが、女性スマホユーザーの増加。2010年度第3四半期の購入者比率では約3分の1が女性だが、1年後の2011年度では半分近くまで増えている。この期間は、スマホの機種数は14機種から38機種へと増え、デザインとカラーバリエーションが拡充。使い勝手の良いユーザーインタフェースの提供も始まった時期と重なる。

photophoto ドコモのスマートフォン販売状況(写真=左)。ここ1年で女性層が増えている(写真=右)

 「新製品は女性ユーザーが増えるとブレークすると言われるが、スマートフォンは今がその段階。女性がしっかり増えると、次は40歳以上のユーザー。特に高齢者への普及が期待できる。ユーザーの裾野が広がり、スマートフォンは当たり前の存在になる。つまり、コモディティ化すると言っていいだろう」(阿佐美氏)

 スマートフォンの普及に合わせ、ドコモのビジネスモデルも徐々に変化を見せている。2010年12月にスタートした「Xi」は、2011年9月末までデータ端末のみの展開だったが、2011年10月にはXi対応スマートフォンが登場し、それに合わせて契約数も増加中だ。まだ機種数は4機種だが、高速通信という特徴に加えて端末価格と通信料金の戦略的な設定もあり、Xiスマホを選ぶユーザーが増えているという。

本格普及にかかせない2つのサポート体制

 新しいデバイスの普及に欠かせないのが、サポート体制の充実だ。スマートフォンのサポートについて阿佐美氏は、ユーザー向けとCP向けの双方で行っている施策を説明した。

 ユーザー向けサポートで代表的なのが、スマートフォンラウンジの全国展開。スマートフォンは実物を触ってみないと操作感が分かりくいため、スマホが体験できる店舗を全国の主要都市に開設している。また普通のドコモショップでもスマートフォン教室などを開催し、草の根単位でスマホの普及を支える計画だ。また“教える側”についてもマイスター制度を設けるなど質を担保している。

 1人1人のユーザーに対しては、「スマートフォンあんしん遠隔サポート」の提供が象徴的だ。サポートするオペレーターがリモート環境でユーザーのスマートフォンを確認することで、店舗に行かなくても個々の対応が図れる。スマートフォンは多機能なうえ、タッチパネルで直感的に操作できる反面、声だけでは説明しづらい面もある。サポートにかかる時間やコストを削減する1つの解決策といえるだろう。

 デバイスの普及にはコンテンツの普及も欠かせない。そのためにはCPへのサポートも重要だ。しかしスマートフォン、特にAndroidはデバイスごとにOSやディスプレイの差があり、そのための動作検証が難しい。

photophoto さまざまなAndroidスマートフォンをCPにテストしてもらうためのリモートサービス

 そこでドコモは、3月下旬からCP向けのリモートテストサービスを開始する。これは、テストセンターにドコモスマートフォンの実機を用意し、CPがリモートで端末にアクセス。開発したアプリの挙動やスマホ向けサイトの見た目を、Webカメラで確認できるというもの。CPは1台1台の実機を手元に用意する必要がなく、また決まった確認動作を自動化することもできる。

スマホでコンテンツが変わり、コンテンツでスマホが変わる

 ドコモはスマートフォンの普及に合わせ、フィーチャーフォンのiモードビジネスを生かした「dメニュー」や「dマーケット」を展開している。dメニューはドコモ独自のスマホ向けポータルで、iモードにおけるiメニューの位置付け。iモードに参加する約3000社のコンテンツプロバイダーのうち、約1000社がdメニュー対応を終えており、阿佐美氏は「コンテンツのスマホ化は今後もっと進むだろう」と予測する。

 スマートフォンはフィーチャーフォンよりもディスプレイが大きく、処理能力が高い。またGPSやジャイロセンサーなどのセンサー類を、OSが標準でサポートするのもフィーチャーフォンとの違いだ。阿佐美氏はこうしたスマートフォンの特徴を生かすコンテンツ例として、現在地で見える星座をディスプレイに表示する「Google Sky Map」や、3D表示のアクションシューティングゲーム「DEAD SPACE」を紹介。さらにディスプレイが大きくなるタブレットならではのコンテンツとして、表示する店舗情報のレイアウトが工夫されている「ホットペッパーグルメ HD」、ジャイロセンサーを生かしたゲームの「塊魂モバイル2」、そしてスマートデバイス向けに紙面を再編集している「朝日新聞デジタル」を取り上げた。

 コンテンツが変われば、さらにデバイスも変化していく。ハンドセット(受話器型)のフィーチャーフォンが、スマートフォンやタブレットへと進化してきたが、今後どうなるのか。阿佐美氏は、「今後ますます、PCの領域に及んでいく」との展望を示した。特にタブレットについては、その傾向が顕著だという。

photophoto スマートフォンとタブレット、PCは、それぞれの特徴を生かしつつ、似たデバイスの機能も取り込んで進化していく(写真=左)。タブレットとポータブルDVDプレーヤーのディスプレイサイズは似通っている(写真=右)

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