ドコモのMNP転出超過、過去最大の約19万に――2012年10月契約数

» 2012年11月07日 15時37分 公開
[後藤祥子,ITmedia]
グループ名 2012年10月純増数 累計
NTTドコモ 7200 6079万3800
KDDI 23万8800 3634万9100
ソフトバンクモバイル 28万4200 3074万5400
イー・アクセス 非公開 非公開
携帯総計 53万100 1億2788万8300

 電気通信事業者協会(TCA)は11月7日、10月末時点の携帯電話・PHS契約数を発表した。NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクモバイルの3社を合わせた累計契約数は1億2788万8300件。PHSの累計契約数は485万7800件で、携帯電話3社とPHSの合計契約数は1億3274万6100件となった。

 10月の実績も9月21日に発売されたiPhone 5が明暗を分けた。取り扱いキャリアのKDDIとソフトバンクモバイルは、純増数、番号ポータビリティの実績がともに好調に推移。NTTドコモは冬モデルの販売前であることも重なって、番号ポータビリティの転出超過は過去最大の18万9800に達した。

 10月の純増でトップとなったのは28万4200契約を獲得したソフトバンクモバイル。2位のKDDIも23万8800契約を獲得するなど、iPhone 5を扱う通信キャリアが契約数を大きく伸ばしている。NTTドコモは7200の純増だった。

 ソフトバンクモバイルは、家族に渡したお下がりのiPhoneを安価な月額料金で利用できる「iPhone 家族無料キャンペーン」を展開しており、こうした取り組みが契約数の増加に貢献しているという。

Photo 純増数の推移。イー・アクセスは2011年12月分から情報の提供を取りやめている

Photo 純増シェアの推移。2012年12月分以降は、イー・アクセスを除く3社のみのシェア

MNP利用状況 差し引き
NTTドコモ −18万9800
KDDI 15万2700
ソフトバンクモバイル 3万7900
イー・アクセス −800(推定)

 番号ポータビリティ(MNP)の利用実績では、auのiPhone 5がドコモを直撃する格好となった。ドコモはMNP始まって以来、最多となる18万9800の転出超過を記録。KDDIは転入超過が過去2番目の好成績となる15万2700に達した。同じiPhone 5を扱うソフトバンクモバイルに流れなかった理由についてKDDIは「LTEのエリア展開や(固定サービスとセットで申し込むとスマートフォンの月額料金が安くなる)スマートバリュー、女子割、男子割などの割引施策が浸透したため」と分析している。

 ドコモは今回の大量流出の原因について、iPhone 5の影響が予想以上に大きかったことと、冬モデルの販売前でポートインにつながる要素が少なかったことを挙げている。11月には冬モデルの投入や、基本料金を最大2年間割り引く「Xiスマホ割」の提供、家族単位の割引施策の訴求などで歯止めをかけたい考えだ。

Photo MNP利用状況の推移。イー・アクセスは、MNPの実績についても非公開

AXGPは50万契約が目前に

 ウィルコムの10月の純増数は5万4300件で、内訳はPHSが4万4100件、3Gが1万200件。同社は11月1日に「スマートフォンに寄り添う」という戦略のもと、2台目需要を喚起する新モデル2機種を発表している。USBモバイルバッテリーになる「ENERUS」、スマホの子機として使える「HONEY BEE 5」といったユニークな端末の投入で契約増を目指す。

 モバイルWiMAXサービスを提供するUQコミュニケーションズは12万3200件の純増で累計契約数は374万7300件となった。AXGPを提供するWireless City Planningは6万7600の純増で、累計契約数は44万6500件だった。

ウィルコム 2012年10月純増 累計
PHS 4万4100 485万7800
WILLCOM CORE 3G 1万200 22万9900
5万4300 508万7700

UQコミュニケーションズ 2012年10月純増 累計
UQ WiMAX 12万3200 374万7300

Wireless City Planning 2012年10月純増 累計
AXGP 6万7600 44万6500

※発表値は端数を四捨五入しているため、項目別の数値を合算しても一致しないことがあります

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