本連載の第1回で、LTEスマホの料金プランが長電話には向かないという話をしました。
フィーチャーフォンのような無料通話分がない代わりに、同じケータイ会社同士の通話が無料――というのがLTEスマホの料金プランの基本的な形です。基本利用料が安い半面、30秒あたりの通話料が高いので、他社ケータイや固定電話との通話が多い人、長電話をする人はフィーチャーフォンよりも通話料が増えてしまいます。
4社のLTEスマホの料金プランで、長電話に向いているものは以下の通りです。なお、7月4日にウィルコムが新しい料金プランとLTEスマホを発表したので、こちらは次回以降の記事で紹介します。
ケータイ会社 | NTTドコモ | au | ソフトバンクモバイル | イー・アクセス |
---|---|---|---|---|
基本使用料+割引サービス | 780円(タイプXiにねん) | 1960円(LTEプラン+通話ワイド24) | 1960円(ホワイトプラン+Wホワイト) | 2380円(LTE電話プラン(にねん)+通話定額オプション) |
無料通話分 | なし | なし | なし | なし |
インターネット接続料 | 315円 | 315円 | 315円 | なし |
パケット定額サービス | 4935円(Xiパケ・ホーダイ ライト) | 5985円(LTEフラット) | 5460円(パケットし放題フラット) | 3880円(データ定額5) |
30秒あたりの通話料 | 21円 | 10.5円 | 10.5円 | 18.9円(1回10分超過後) |
無料通話の範囲 | なし | 1〜21時 au同士 | 1〜21時 ソフトバンクモバイル同士 | 1回10分以内 月300回まで通話し放題 |
今回は、「他社ケータイ」や「固定電話」との長電話を前提にした節約術を紹介するので、上の表では長電話に適した割引サービスに加入した場合の料金と主な料金プランを足した金額を記載しています。
表を見ると分かるとおり、同じケータイ会社同士なら無料通話ができますが、他社ケータイ宛ての通話は無料にはなりません。なお、ドコモのXi(LTE)の料金プランには、他社ケータイとの通話料が安くなる割引サービスがないので(2013年7月1日時点)「タイプXiにねん」のみの料金を記載しています。
auとソフトバンクモバイルは、追加料金を払うと30秒あたりの通話料を半額にできる割引サービスがあります。月額基本料は倍になりますが、長電話をするなら検討するといいでしょう。
イー・アクセスは、他社ケータイとも24時間定額で通話できる「通話定額オプション」を用意しています。月額料金は高くなりますが、他社ケータイや固定電話へも通話し放題になるのは大きな魅力です。ただし1回の通話は10分まで(月300回まで)という制限があるのには注意が必要。短い電話が多い人にはよいのですが、1回の通話時間が長いと通話料が発生します。
結局、今のケータイ会社の料金プランでは、通話料が高くなるのは避けられません。そこで昨今話題の「無料通話サービス」の出番となります。
無料通話サービスは「VoIP」と呼ばれる、パケット通信を使った音声通話サービスです。LINE、Skype、050plus……など、さまざまなサービスがあり、そのほとんどがスマホ向けアプリを提供しています。
ここで重要なのは、こうしたVoIP系無料通話サービスの通話料は、LTEスマホの「パケット定額」に含まれるということ。音声通話なのにパケット通信を使うので、いくら話しても“30秒あたりいくら”という従量制の通話料がかからず、無料で話せるのが大きな魅力です。
また、サービスを利用するのに“相手がどのケータイ会社を使っているか”が関係ないのも便利な点です。例えばiPhoneで使える無料のビデオ通話サービス「FaceTime」は、auのiPhoneとソフトバンクモバイルのiPhoneとの間でも無料で通話できます。これと同じように、他の無料通話サービスも、“どのケータイ会社と契約しているか”に関係なく無料で通話ができます。これなら「LTEスマホは、フィーチャーフォンよりもパケット代が高くなった」と嘆いていた人でも、料金を気にせず長電話ができます。
ただし、無料通話をするためには大きな2つのポイントがあります。
1は、同じサービスのユーザー同士でなければ通話が無料にならないということです。LINEユーザーはLINEユーザー同士、SkypeユーザーはSkypeユーザー同士でないと、通話が無料にならないのです。
2も少々厄介です。無料通話サービスはたくさんあるので、電話で話したい相手が必ずしも同じサービスに加入しているとは限りません。違うサービス同士では無料通話ができず、通話ができたとしても有料になります。他にも緊急通報ができないなど、無料通話サービスならではの制限があることは使用前に確認しましょう。
ただし、このような制限があっても長電話をしたいのなら、無料通話アプリを利用したほうが結局「節約」にはなります。
それでは、主な無料通話サービスを比較して、どの程度安くなるのか見てみましょう。
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