「Galaxy S6 Edge」は中身も“世界初”のオンパレードバラして見ずにはいられない(2/3 ページ)

» 2015年07月24日 11時00分 公開

“新機能”はネタ切れ寸前

 新機種を調査する目的の1つは、新機能とそれを実現する部品の特定である。今回Galaxy S6 edgeを注意深く解析してみたが、ハードウェア面で従来の同シリーズにない新機能は「Qi」規格に準拠した無接点充電のみだった。

 無接点充電を実現するのは、電子決済等に使用されるNFCアンテナと一体の無接点充電用アンテナと制御IC(ともに米Texas Instruments製)である。原価にすると2ドル以下と思われ、新機能の搭載が製品原価に占める割合は小さいだろう。

photo NFCアンテナはこれまで背面カバーに搭載されていたが、今回から無接点充電用アンテナと一体化し、実装場所も筐体内に移動した

 Qiは他社スマホでもすでに使われており、どちらかというとSamsungは後発組だ。同社は新しい電子部品が登場すると比較的早くスマホに搭載してきた。そのため、市場が熟すのを待って新機能を投入する他社と比較すると先出しによる「ネタ切れ状態」に陥りやすい。

photo ホームキーと一体の指紋センサーと、背面の心拍センサー

 無接点充電とはいえ、Qi規格は充電台と端末をかなり程度近づける必要があるため、充電中に自由に動かすことはできない。その一方で、(無接点充電にしては)伝送ロスが少ないという特徴がある。別の方式では充電台と端末の距離をもう少し取れるものもあるが、今度は伝送ロスが大きくなるなど一長一短である。また新仕様のQiは急速充電も可能になった。世界シェアが大きいSamsungが採用したことで、グローバル規模で利用が進む可能性が高い。

グレードダウンした点

 新機能の追加と既存機能のグレードアップが行われたGalaxy S6/S6 Edgeだが、S5で対応していた防水・防じんに非対応となった。S6/S6 Edgeは筐体と部品レイアウトの全面的な見直しが行われており、サイズ的にもさらに防水性能を追加するハードルが非常に高かったのだろう。

 写真や音楽を保存しておく外部メモリ用のMicro SDカードスロットも姿を消した。ストレージ容量は32Gバイトまたは64Gバイトのままで、足りない場合はインターネット上のクラウドサービスやスマホ対応のUSBメモリ、あるいはPCにバックアップすることになる。

世界初の部品が続々

 Galaxy S6/S6 Edgeに搭載されているプロセッサはSamsung自前の「Exynos 7420」だ。2.1GHz駆動の4コアと1.5GH駆動の4コアを組み合わせた8コアプロセッサで、14ナノメートルプロセスルールと超微細化製造技術の切り札と言われるFinFET技術を採用した。

photo 世界最先端のプロセッサ「Exynos 7420」。2階建て構造になっており、1階部分にプロセッサ、2階部分にDRAMを実装する

 FinFETは、プロセッサを構成するトランジスタの「ゲート」と呼ばれる電極を立体化することで、微細化と同時に高速駆動に必要な電流の確保とリーク(漏れ)を防ぐ技術。上に伸びたゲートが“ヒレ”のように見えるため「Fin」という名前が付いた。FinFET技術を採用したプロセッサはすでに米Intelが量産しているが、それはPC向けであり、モバイル向けFinFETプロセッサの採用はSamsungが世界初だ。

 プロセッサと連動するメモリ(DRAM)も新しくなった。現在のスマホに使われるDRAMは「Low Power Mobile DDR3 SDRAM(LP DDR3)」と呼ばれる規格だ。本機では次世代規格の「Low Power Mobile DDR4 SDRAM(LP DDR4)」が採用され、データ転送速度と省エネ特性が向上した。ディスプレイやカメラの性能が向上すると取り扱うデータも膨大なものになり、必要なメモリ容量も増えていく。いずれは多くのモバイル機器に標準搭載となる規格だろう。

 ただLP DDR4は新規格ということもあり、部品の価格は同容量のLP DDR3に比べると15%程高くなった。いち早くLP DDR4を採用したSamsungだが、先頭を行くと追われるのも宿命だ。現在は同じ韓国のSK HynixなどがLP DDR4を生産しており、中国製ハイエンドスマホなどに搭載が進んでいる。

 写真などを保管しておくストレージ用のフラッシュメモリも新しくなった。大半のモバイル機器では小型化に適し消費電力も少ない「eMMC」(Cembedded Multi Media Card)と呼ばれる規格が広く使用されている。NAND型フラッシュメモリに制御機能を混載したものだ。SamsungはS6/S6 Edgeで新規格「Universal Flash Storage(UFS)」対応のフラッシュメモリを搭載した。eMMCと比較し10倍以上のスピードで読み書き可能で、現在は東芝もこのフラッシュメモリを量産している。DRAM同様、価格は同じ容量の場合、従来規格と比べ15%程高くなった。

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