ソニー「Xperiaは開発、商品化スピードが他社に劣後している」――5G時代に向けて、逆転できるチャンスはあるのか石川温のスマホ業界新聞

» 2018年06月01日 10時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 ソニーは5月22日、2018〜2020年度の中期経営方針を発表した。

 エレクトロニクス、エンタテインメント、金融事業が好調のなか、唯一、赤字を垂れ流しているのがモバイル事業だ。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2018年5月26日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額540円・税込)の申し込みはこちらから。


 吉田憲一郎社長は、モバイル事業について「今年度も赤字見込みであることは重く受け止め、総力戦で事業の安定化に取り組んでいる」とコメント。

 Xperia事業について、ソニー 執行役EVPモバイル・コミュニケーション事業担当の石塚茂樹氏は「他社が狭額縁、ディスプレイサイズの拡大、複眼カメラなどを取り入れてきたが、それに対抗する商品を出せなかった。設計、開発、商品化のスピードが他社に劣後している。そのことをしっかり認識、改善することが必須だ」と敗因を認めている。

 ソニーとしては、Xperia事業においては早急な回復は見込んでおらず、「集中と選択を行い、オールソニーでターンアラウンドを強化した上で、中期の時間軸でできるだけ収益を安定させていく」(十時裕樹EVP CFO)という。

 どちらかいえば、5G開始に向けて、スマホだけではない、新たな事業で巻き返しを図りたいようだ。特に業務用カメラに5Gに対応させ、遠隔地でも高画質で中継できるといったソリューションを視野に入れる。

 業務用カメラに5Gを対応させるには、アンテナ技術などが必要となる。そうした技術ノウハウを構築するためには、スマホでの蓄積が不可欠なわけで、ソニーとしては技術の取得という意味でも、スマホ事業はしばらく手放すつもりはないようだ。

 個人的は、せっかくスマホを手がけつつ、デジカメやテレビなどのハードウェアを持っているのだから、もっと他の製品のLTE、さらに5G対応を進めていけばいいと思う。

 特にデジカメに関しては、Androidと4Gに対応し、すぐに写真をアップできるような本格一眼ミラーレスがあってもいいと思う。本格デジカメを手がけつつ、スマホ事業を持っている会社はほかにはないわけで(一時はサムスン電子もあったが、デジカメ事業から撤退)、スマホと本格デジカメの融合はもっと進めるべきではないか。

 カシオ計算機が撤退したように、コンパクトデジカメはスマホに取って代わってしまったが、本格デジカメとスマホは共存できるわけで、それこそ、ソニーのポジションが生きてくるはずだ。

 ソニーが得意とする、ワイヤレスヘッドフォンだって、いまはスマホをつなげて使っているが、別にヘッドフォンに4Gや5Gの通信モジュールを内蔵させて、ダイレクトにストリーミング音楽が配信されてもいいように思う。

 スマホ単体で、アップルやサムスン電子、ファーウェイを負かすのは相当、難しいが、スマホ以外のハードウェアをXperia化し、モバイル通信対応ブランデッドハードウェア群で勝負できれば、ソニーのモバイル・コミュニケーション事業はいまからでも巻き返しができるのではないだろうか。

© DWANGO Co., Ltd.

アクセストップ10

2026年07月28日 更新
  1. 「楽天モバイルWiFiスポット」を試してみた 屋内通信の不満解消へ期待も「接続性」に課題 (2026年07月26日)
  2. 夏の暑さ対策グッズでよく見掛ける「ペルチェ素子」ってなんだ? 賢く使うための注意点も (2026年07月27日)
  3. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  4. 折りたたみスマホ「OPPO Find N6」を3カ月使って実感した“真価” 仕事とプライベートで大活躍 (2026年07月26日)
  5. なぜ「LINE VOOM」は嫌われたのか 保護者を悩ませた“子供たちの抜け道” (2026年07月24日)
  6. 気温35度以上のハンディファンは「逆効果」 猛暑を安全に乗り切る使い方と2026年おすすめ5選 (2026年07月27日)
  7. UQ mobileとY!mobileの「セット割なし」新割引を比較 ahamo、LINEMO、楽天モバイルよりもお得? (2026年07月27日)
  8. 界面活性剤とマイクロファイバーでタッチパネルをきれいに! ダイソーで220円の「スクリーンクリーナー」を試す (2026年07月25日)
  9. ドコモが「iPhone 17」シリーズや「iPhone Air」を値上げ 一部機種は残価も引き上げ、実質負担額の影響は? (2026年07月24日)
  10. 日本通信、ドコモの音声網相互接続で設備工事や接続試験が完了 「ネオキャリア」に前進 (2026年07月27日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー