OPPO Find N6が「折り目ほぼゼロ」を実現できた理由 “品質に厳しい”日本に投じる自信(1/2 ページ)

» 2026年04月14日 20時41分 公開
[金子麟太郎,ITmedia]
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 オウガ・ジャパン(OPPO日本法人)はハイエンド折りたたみスマートフォン「OPPO Find N6」を4月15日に発売する。価格は31万8000円だ。販路はKDDIのau +1 collectionや、MVNOのIIJmio、イオンモバイルなどを予定する。これまでグローバル市場で高い評価を獲得してきた注目の最新モデルがいよいよ日本に上陸する。

OPPOFindN6 折りたたみスマホ 折りたたみスマートフォン「OPPO Find N6」

 OPPO Find N6の基本的な特徴やスペックの情報は速報記事に、折りたためる構造やディスプレイ、AI、カメラ機能の使い勝手に関してはレビュー記事を掲載済みだ。

 この記事では、発売日前日の4月14日の日本国内向け発表会をもとに、OPPOがなぜ最大の特徴である折り目にこだわったのか、そして折り目をほぼゼロにするための工夫がどこにあるのか、安心して使えるのかという点にフォーカスしていく。

OPPOFindN6 折りたたみスマホ OPPO Find N6の日本国内向け発表会に登壇したオウガ・ジャパンの河野謙三専務(写真=左)、OPPO イノベーティブ製品開発ディレクター 成蛟(チェン・ジャオ)氏(写真=中央)、営業推進部 プロダクトマネージャー 中川裕也氏(写真=右)

肉眼では分からない0.05mmのプレート差でヒンジをフラットに

 折りたたみスマートフォンは手帳のように開いて大画面を使える利点がある。一方で画面中央に生じる折り目が懸念事項だった。OPPOでイノベーティブ製品開発ディレクターを務める成蛟(チェン・ジャオ)氏は発表会でこの問題に真剣に取り組んだことを力説した。

 成氏は「内部のあらゆる部分が相互に影響し合っているため、折り目問題を真に解決するには構造設計や材料など全面的なアップグレードが必要だ」と話し、第一の重要技術として第2世代チタニウム高精度ヒンジを挙げた。「ヒンジ表面の起伏を限りなくゼロに近づけることが目標だった」という。

OPPOFindN6 折りたたみスマホ 折り目がほぼないインナーディスプレイ(写真=左)のイメージ
OPPOFindN6 折りたたみスマホ 折り目がほぼないインナーディスプレイを実現するべく、ヒンジ表面の起伏を限りなくゼロに近づけることが目標だったそうだ

 ヒンジは数百の部品で構成される。「従来の3軸ヒンジはスタッキング効率は高いものの位置分布が不均一で、ディスプレイが受ける力も不均一になっていた」と成氏は指摘する。そこで新モデルはバイオミメティック(生物模倣)な対称4軸構造を採用した。左右や上下を対称的にレイアウトして力を均等に分散させ、平たんに支える能力を向上させた。

OPPOFindN6 折りたたみスマホ 従来の3軸ヒンジを示すスライド。スタッキング効率は高いものの、位置分布が不均一になってしまう
OPPOFindN6 折りたたみスマホ OPPO Find N6の対称4軸構造では、左右や上下を対称的にレイアウトして力を均等に分散させた

 この設計により、ヒンジ表面の起伏は前モデルの0.18mmから0.1mmへ減少した。しかし長期間の平たん性を追求するOPPOにとって、これでも不十分だった。「誤差が0.1mmのスケールに突入すると正確に見ることも平らにすることもできず、従来の精密加工では対応できない」と成氏は語る。そこで3D液体プリント技術を開発して限界を突破した。

OPPOFindN6 折りたたみスマホ 従来の精密加工技術にも限界があったという

 製造ラインには分光共焦点スキャン技術を導入した。「肉眼では見えない起伏を見つけるため2マイクロメートルレベルの超高精度スキャンを実現した」と成氏は説明する。領域内で1200万個の特徴点をスキャンして微細な起伏を把握し、そのデータをもとに1回5ピコリットルという極小単位の樹脂を塗布する。

OPPOFindN6 折りたたみスマホ 製造ラインに分光共焦点スキャン技術を導入。肉眼では見えない起伏を見つけることが可能になった

 この作業を60秒以内に1300万回行い、紫外線で瞬時に硬化させる工程を40ラウンド繰り返す。「従来の精密加工では乗り越えられなかった一歩を突破した」と成氏は語る。この緻密な工程によりヒンジのプレート差は0.2mmから0.05mmまで低減した。これは肉眼では分からないレベルだという。土台を極めて平らにし、凹凸をほとんど感じない基板を完成させた。

 こうして1本の平たんなヒンジが完成するが、本当の挑戦は全てのヒンジに対して精密なカスタマイズ処理を施し、量産することにある。OPPOはフラットさを追求するため、このヒンジに特化した専用の生産ラインを新たに構築した。15項目のフラット加工工程と、70項目にも及ぶフラット性測定工程を設け、月間10万台以上という大規模な生産体制においても、全てのヒンジで同じ高水準の平滑性を実現させている。

OPPOFindN6 折りたたみスマホ 大規模な生産体制においても、全てのヒンジで同じ高水準の平滑性を実現させている

柔軟性だけでなく十分な剛性も備えたガラスを採用

 ヒンジの進化だけでは折り目問題は解決しない。「過去に業界がガラスに追求してきたのは柔軟性だったが、長期間使用すると他の積層部分がもたらす不可逆的な変形に抵抗できない」と成氏は語る。柔軟なガラスだけでは折り目が定着する現象を防げないため、柔軟性だけでなく十分な剛性も備えたガラスが必要だと認識を改めた。

 その結果生まれたのがメインスクリーンに採用されたオートスムージングフレックスガラスだ。「これは低反発枕のように自動で反発し痕跡を修復する能力を備える」と成氏は説明する。従来の極薄ガラスと比較して厚みを50%増やし剛性を3倍以上に高めた。再び開く際に優れた自己修復性能を発揮し、ディスプレイ自らが平らな状態へと復元する。

OPPOFindN6 折りたたみスマホ OPPO Find N6はインナーディスプレイにシワを自己修復するフレックスガラスを採用する

 「ディスプレイが繰り返し折りたたまれる際により自然に元の状態に回復できる」と成氏は強調する。これらの相乗効果によって折り目の形成を最大82%削減した。この圧倒的な平滑性と耐久性は第三者機関のTUV Rheinlandによる検証でも証明された。140以上の専門テストを経て60万回の折りたたみ試験をクリアした。

OPPOFindN6 折りたたみスマホ 耐久性は第三者機関のTUV Rheinlandによる検証でも証明された。60万回の折りたたみ試験をクリア済みだ
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