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2015夏のauはリアルへの取り組みを加速 モバイルと結びつけて“生活革命”を新機種より物販重視?(1/2 ページ)

「スマホ・タブレットの進化がひと段落した」と言われる今日この頃。2015年夏のauは「モバイル」と「リアル」をつなげる取り組みの強化で、競合他社との差別化を図る。

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 KDDIは5月14日、2015年夏商戦に向け、スマートフォン6機種、タブレット1機種、フィーチャーフォン(ケータイ)1機種のほか、4G LTEケータイ向け新プランや、新サービス「au WALLET Market」を発表した。

 同日に開催された発表会で、KDDI 代表取締役社長の田中孝司氏は「生活革命」という言葉を繰り返した。生活革命とは、KDDIが通信事業者として取り組んできた「モバイルサービス」と、2014年にサービスを開始した「au WALLET」を始めとする「リアルサービス」をネットワークでつなぎ、生活を豊かにしていくことを表現した言葉だ。

 では、従来からのモバイルサービスと、ある意味で「新しい領域」であるリアルサービスをどのように結びつけていくのか。発表会を振り返ってみよう。

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KDDI 代表取締役社長 田中孝司氏

「ガラホ」のVoLTE対応で、ケータイに「えらべる自由」

 田中氏が最初に紹介したのは、Androidベースのケータイ「AQUOS K SHF32」だ。2015年春に投入された「AQUOS K SHF31」の後継モデルで、VoLTE通話に対応したことが特徴である。

 田中社長が「ガラホ」と呼ぶLTEケータイにVoLTEを採用することで、発信時間の短縮や通話音質の向上といった電話機能が改善する反面、4G LTE契約に移行することで、月々の利用料金が高くなるという問題が発生する。ケータイユーザーは、電話機能と維持費を重視する傾向にあるため、電話機能改善と維持費の低廉さを“両立”することが、VoLTEケータイへの移行にあたっての課題となる。

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VoLTE対応で、発信時間の短縮と、高音質通話が可能に

 そこでKDDIが打ち出したのが、VoLTEケータイ専用の料金プランと、パケット定額オプションだ。

 料金プランには、一部時間帯を除きau電話間で通話定額の「VKプラン」、24時間国内通話定額の「電話カケ放題プラン(VK)」のほか、3Gケータイ用と同等の無料通話が付く「VKプランS」と「VKプランM」も用意し、「4G LTE契約になると、無料通話がなくなって、ちょっと……」というユーザーの声に応えた。

 2段階パケット定額オプション「ダブル定額(VK)」には、特に力が入っている。まず、請求上限額が4200円(税別、以下同)と、従来の「LTEフラット」よりも安価で、3Gケータイ向けの「ダブル定額」シリーズでEZwebのみ利用した際の上限額と同額になっている。また、パケット料金単価も0.02円/1Kバイトと、従来のダブル定額シリーズ(0.05〜0.1円/1パケット)より安い。これは、VoLTEケータイではフルブラウザが使える上、スマホ向けのリッチなサイトを閲覧できるため、あっという間に料金上限に達することに配慮したためだ。ダブル定額(VK)では月間の高速通信可能容量が2Gバイトまでとなるが、テザリングなどを多用する場合、容量別の「データ定額(VK)」を選択することも可能だ。

 VoLTEケータイに移行しても、料金面では3Gケータイ感覚で使えるよう配慮しつつ、通話・通信を多用する人への選択肢も用意することで、他社にはないVoLTEケータイの「えらべる自由」をアピールする。

photophoto 3Gケータイ並みの料金で維持できるプラン(写真=左)と、通話定額や大容量のパケット通信プラン(写真=右)を併存させて選択の自由度を高めた

スマホはカメラで「えらべる自由」

 端末については、KDDIは今夏、カメラを一番のセールスポイントとして訴求する。

 発売済みの「Galaxy S6 edge SCV31」は、メイン・フロント両カメラでF1.9のレンズを採用し、暗い場所でも明るく撮影できるほか、自撮り(セルフィー)時に手を挙げるだけで撮影できる。「Xperia Z4 SOV31」では、プレミアムおまかせオート撮影に「料理モード」が追加され、料理をおいしく撮影できる。

photophoto Galaxy S6 edgeはF1.9のカメラレンズを(写真=左)、Xperia Z4はプレミアムおまかせオート撮影の「料理モード」をイチオシ(写真=右)

 「AQUOS SERIE SHV32」は、秒間140枚/210枚のハイスピード撮影で「スーパースロー映像」を作れる機能、F1.8のレンズを持つ「isai vivid LGV32」は、一眼レフカメラに近いというメインカメラと、従来よりも色再現性に優れる「IPS Quantumディスプレイ」が特徴だ。

photophoto AQUOS SERIEではスーパースロー映像(写真=左)、isai vividはF1.8レンズを持つメインカメラを訴求する(写真=右)

 「HTC J butterfly HTV31」では、有効1310万画素のインカメラとリアルタイムで美肌加工ができる機能を用意。「TORQUE G02」は、耐海水性能を生かした海中撮影機能が際立つ。「URBANO V02」では、カメラの感度とホワイトバランスを改善した。

photophoto HTC J butterflyは高画素インカメラとリアルタイム美肌補正機能(写真=左)、TORQUEは海中撮影機能をイチオシ(写真=右)

 田中氏は、たくさん撮影した写真は、2015年夏モデルからプリインストールされている「データお預かりアプリ」で預け入れ、万が一のときはクラウドから戻せることも合わせてアピールした。「auスマートパス会員は最大50Gバイトまで、非会員は最大1Gバイトまで無料でデータの預け入れが可能だ。

photophoto 今夏モデルからは「データお預かりアプリ」をプリインストール。写真を含め、auスマートパス会員最大で50Gバイトのデータを預けられる

タブレットで、スマホをもっと便利に使う

 KDDIは「ビデオパス」という映画の見放題サービスを提供している。ビデオパス会員全体の8.0パーセント、毎週視聴する比較的ヘビーなユーザー(先進層)に限ると15.8パーセントが2台以上のデバイスでビデオパスを視聴しているという。このようなマルチデバイス利用を促進するため、「Xperia Z4 Tablet SOT31」と、「Qua tab 01」の2機種を投入する。

 マルチデバイス利用において、スマホとタブレットの連携機能があるとより便利なことは明白だ。そこで、2015年夏モデルからはauのスマホとタブレットをMiracastで接続し、スマホをタブレット側で遠隔操作できる「au シェアリンク」という機能を追加する。

photophoto タブレットは2機種導入する(写真=左)。スマホとの2台持ちに便利な「au シェアリンク」もプリインストールする(写真=右)

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