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理研の98TFLOPSスーパーコンピュータが稼働

» 2009年08月10日 07時00分 公開
[ITmedia]
photo 超並列PCクラスタ

 理化学研究所は8月7日、新スーパーコンピュータシステム「RICC」(RIKEN Integrated Cluster of Clusters)を開発し、10月から運用すると発表した。富士通が構築を担当したPCクラスタは、Linpackベンチマークで97.94TFLOPSの実行性能を達成した。

 計算サーバ(超並列PCクラスタ、大容量メモリ計算機、多目的PCクラスタ)とストレージなどで構成する複合システム。超並列PCクラスタには富士通のPCサーバ「PRIMERGY RX200 S5」1024台(2048CPU、8192コア)を採用した。実行性能は、現在のTop500に当てはめると世界34位、PCクラスタとしては国内1位になるとしている。

 多目的PCクラスタには、NVIDIAのTeslaによるGPUアクセラレータを搭載。グラフィカルなインタフェースでプログラミングが行える環境も提供し、利用の拡大を期待している。理研が開発した「MDGRAPE-3」クラスタもシステムに加わっている。

photo システム概要

 RICC上では、2012年完成予定の次世代スーパーコンピュータ(京速計算機)のアプリケーションプログラム開発も行われる。数千並列規模のジョブを常時投入できるようにする高機能スケジューラを独自開発した。

 テスト運用は8月3日に開始し、11日に新システムを関係者に公開。課題の申請受け付けと審査を経て、10月1日に正式運用を開始する予定。

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