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AndroidがiPhoneから関心を奪いつつある?

» 2009年12月24日 07時30分 公開
[Michelle Maisto,eWEEK]
eWEEK

 米国ユーザーの間ではGoogleのAndroid OSに対する関心が高まっており、今後AppleのiPhoneに対する注目は薄れる可能性もある――。米調査会社ComScoreが12月17日付の報告書でそう指摘している。

 ComScoreが今年8月に携帯電話ユーザーを対象に「今後3カ月でどの携帯電話を購入したいか」を尋ねた調査では、Androidを搭載するスマートフォン(当時はまだ「T-Mobile G1」と「T-Mobile MyTouch」の2種類しか選択肢がなかった)を選んだ回答者は全体のわずか7%で、iPhoneと答えた回答者が21%だった。11月に再び同じ調査を実施したところ、Androidを搭載する端末を購入したいと答えた回答者が全体の17%に増加し、iPhoneを購入したいと答えた回答者は20%(3Gと3GSを合わせて)だったという。

 11月の調査では、Android搭載端末に関心を寄せているユーザーの中でも、とりわけMotorola DROIDの名前を挙げた回答者が8%に達した。Verizon Wirelessは目下、このDROID端末の広告キャンペーンを大々的に展開しており(同端末は現在Verizonのネットワークでのみ利用可能)、ComScoreによるとこの取り組みが奏功しているという。Androidの市場シェアはまだ小さいが、この1年間で倍増し、10月には3.5%に達している。

 「米国市場では来年1月までに複数のメーカーから複数のキャリア向けに多数のAndroid搭載端末が投入されることが予想されており、Androidプラットフォームはスマートフォン市場を大きく揺るがしつつある」とComScoreのモバイル担当上級副社長マーク・ドノバン氏は12月17日の声明文で指摘している。

 「iPhoneがApp Storeや熱心なユーザー層に支えられ、ビジネス市場ではカナダのResearch In Motion(RIM)が依然リーダーの座を維持する一方、Androidは開発者や消費者の間で明らかに勢いを伸ばしている」と同氏。

 またComScoreによると、iPhoneユーザーとAndroidユーザーには、一般的なスマートフォンユーザーと比べてモバイルメディアの利用率が高く、端末の機能をフルに活用する傾向が強いという共通性が見られ、開発者やキャリアにとってはそうした傾向が励みになるという。ComScoreが7月と8月と9月に実施した調査の結果を平均すると、「携帯端末でモバイルメディアを利用する」と答えたユーザーの割合は、一般的なスマートフォンユーザーの間では80%であるのに対し、iPhoneユーザーの間では94%、Androidユーザーの間では92%と高くなっている。また「ニュースや情報の収集にブラウザを利用する」と答えたユーザーの割合も、AndroidとiPhoneのユーザーの間ではどちらも80%と高くなっているのに対し、ほかのスマートフォンユーザーの間では65%にとどまっている。

 またAndroidユーザーとiPhoneユーザーは、一般的なスマートフォンユーザーと比べてインスタントメッセージ(IM)やソーシャルネットワーキングサービス(SNS)の利用率が高い点でも一致している。ただし、メールの利用については差が見られ、「携帯でメールを利用する」と答えたユーザーの割合は、一般的なスマートフォンユーザーでは70%だったのに対し、Androidユーザーは63%、iPhoneユーザーは87%となっている。

 もっとも11月の調査結果でいちばん際立っていたのは、RIMのBlackBerryを購入したいと考えているユーザーの多さだ。「今後3カ月でどの携帯電話を購入したいか」を尋ねた11月の調査では、最も人気が高かったのはBlackBerry Pearlで全体の18%のユーザーが購入を希望、ほかにも13%がBlackBerry Storm、11%がBlackBerry Curveを購入したいと答えている。そのほかBlackBerry BoldBlackBerry Tourもランク入りを果たしている。

 一方、Palm Preを購入したいと答えたユーザーは全体のわずか2%、Palm Centroについては1%にとどまった。Palmは12月17日に、2010会計年度第2四半期に8190万ドルの損失を計上したと発表し、不振の理由としてSprintネットワークでのPalmスマートフォンの需要が伸びなかった点を挙げている。SprintはPalm端末のほかにAndroid搭載端末を幾つか提供している。

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