KDDI「iida calling」がソーシャルメディアを採用した理由
KDDIは昨年4月からデザインブランド「iida」のプロモーションとして、ユーザーがオリジナル楽曲を作れるWebキャンペーンシリーズ「iida calling」を実施している。電話をかけて声を録音すると楽曲が作れるといった“携帯電話本来の機能”をサービスに取り入れた同キャンペーンだが、今年3月にはmixiアプリにも移植。ソーシャルメディアを取り入れた理由を聞いた。
最新の「iida calling ver.3.1」は、俳句のような5・7・5のテキストを入力すると、入力したテキストを歌詞にした楽曲を自動的に作成し、着うたとしてダウンロードできる。特設サイトに加え、mixiアプリで作品を作ることができる。特設サイトからはTwitterに投稿することも可能だ。楽曲は、いとうせいこうさんが所属するユニット・□□□(クチロロ)が制作した。
今年2月に公開した「ver.3.0」ではキャンペーンサイトのみだったが、3月の「3.1」でmixiアプリにも展開。キャンペーンサイトからはTwitterに投稿できるのに対して、mixiアプリでは友人が作った歌に対して「返事をする」という機能を搭載。友人が作った楽曲に対する返歌を作成し、2曲を続けて再生するなど、友人とともに楽曲を作って遊べる、SNSならではの仕掛けだ。
同キャンペーンを手がけたクリエイティブディレクター・田中耕一郎さんは「3.0が俳句なら、3.1は連歌をイメージした」と話す。
ソーシャルメディア化でキャンペーンの広がりを視覚化
昨年4月に公開した初代と、9月に公開した2は、携帯電話をコンセプトの主軸にしたサービスだった。初代は、ユーザーが専用の番号に電話をかけて声を録音すると、録音したユーザーの声をリミックスして楽曲を作成。2は、サイトで入力したテキストを歌詞にして楽曲を作れた。「電話をかける」「メールをする(テキストを入力する)」という携帯電話本来の機能を意識したキャンペーンだ。
2/3.0/3.1では、ヤマハの「NetVOCALOID」を採用。NetVOCALOIDは、サーバ上のVOCALOIDをユーザー端末から操作し、歌わせることができるSaaS型サービスだ。「言葉を楽曲にする音声化の技術としてVOCALOIDのクオリティーが高い」と判断し、採用したという。
携帯の機能と携帯向けサイトをメインにした初代と2から一転、3ではソーシャルメディアを取り入れた。「モバイルのみでのキャンペーンは、どれくらいの人が使っているのかという広がりが見えづらかった」(田中さん)ことも理由の1つだ。Twitter、mixiアプリといったソーシャルメディアを取り入れることで情報の広がりを視覚化し、認知を高めていくのが狙いだ。
Twitterを選んだのは「最も情報感度が高いユーザーが使っている」ため。田中さんは「Twitterはキャズムを超え始めた。同様にmixiアプリにも火が付いている。いいタイミングで2つのサービスが勃興した」と話す。
キャンペーンで意識したのは、ソーシャルメディア側から見ても価値があるサービスであること。「ソーシャルメディアは外のサービスと関連付くことでもっと面白くなる。楽曲を投稿するという機能で、Twitterやmixiアプリ自体の体験をもっと面白いものにできる」
逆に言えば、「企業がキャンペーンを実施する際に最も重要な視点は、ソーシャルメディアといかに相関できるかという点」ということにもなる。各メディアにしっくりくる内容であればコンテンツとして流行し、ソーシャルメディアのユーザーを満足させながらキャンペーン効果を高めることができる。
3.0は開始から約1週間で10万件の投稿があったという。KDDIのPC向けECサイトでは、iida周辺機器の販売数がキャンペーンを始めてから「かなりの勢いで伸びた」(KDDIの藤間良太課長補佐)という。「3.0にはかなりの反響があった。費用対効果は十分ある」として、KDDIは今後もユーザーとのコミュニケーションを深めるキャンペーンを展開していく考えだ。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
この記事の著者
関連記事
こんなメディアも見られています
ITmedia NEWSに関連する情報をお探しであれば、こちらのメディアもお役に立てるかもしれません。
SpecialPR
本日の新着記事
アクセスランキング
-
1
ダサいスライド資料を作る大会が開催中 応募フォームもダサい
-
2
電車にスマホ貼り付け、ホーム全力疾走の様子を撮影……TikTokerの動画が物議 衣服ブランドの宣伝目的か
-
3
Anthropic、AIで物理機器を制御する共通規格「MHS」発表 将来オープンソース化へ
-
4
Hugging Face侵害事件、OpenAIとMETRが最終報告書公開──約1200体のAIエージェントが“闇掲示板”で結託し700体が攻撃に参加
-
5
「FANZAスタジオ」爆誕へ 成人向けAIマンガに違和感を覚えるマンガ家も期待する部分とは?
-
6
Google、「Gemini Notebook」に購入済み電子書籍を追加できる「Expert Intelligence」
-
7
大人向け「スーパーカー自転車」は和テイストだった リトラクタブルライトにRFID認証など装備満載
-
8
FANZA、成人向けAI創作・公開サービス「FANZAスタジオ」発表 先行体験は8月24日から
-
9
「食欲が削られる」――AIで作られた“気色の悪い飲食店メニュー”がXで物議 「実物を見たい」の声も
-
10
R-18ゲームをiPhoneでも……DMM GAMES、iOS向け独自ストアを31日に公開
ITmedia NEWS SNS
インフォメーション
注目情報をチェック
ITmediaNEWSをフォロー
あなたにおすすめの記事PR