ReadWriteWebのスクープ記事によると、米Googleはビジュアル検索アプリケーション「Google Goggles」を間もなくiPhoneに対応させると明言するとともに、Gogglesの画像認識用のAPIもリリースすると述べた。
Google Gogglesは、ユーザーがスマートフォンで撮影した場所やオブジェクト(製品や絵など)に基づいてGoogle検索を実行し、その画像に関連した情報を表示するモバイルアプリケーションだ。
ユーザーが携帯電話のカメラで撮影した写真は、Googleのクラウドコンピューティングデータセンターにクエリとして送信され、コンピュータの視覚アルゴリズムを用いて解析される。
このアプリケーションは、GoogleのAndroid OSバージョン1.6以上を搭載したスマートフォン上で利用でき、米MotorolaのDROID、GoogleのNexus One、台湾のHTC製DROID Incredibleのユーザーの間で人気を呼んでいる。
しかしGogglesはこれまでAndroidに縛り付けられてきたため、カナダのResearch In Motion(RIM)のBlackBerryと米AppleのiPhoneに次いで米国市場で第3位のモバイルOSのユーザーしか利用できなかった。
Google Gogglesのプロダクトマネジャー、シャイレシュ・ナラワディ氏は6月4日、カリフォルニア州サンタクララで開催された拡張現実イベントにおいて、Gogglesが間もなくiPhoneでも利用可能になることを明らかにした。同社広報担当もこれを認めているが、具体的なリリース時期は明らかにしなかった。
この計画は、Gogglesをより広範なユーザーに普及させる上で大きな効果がある。検索、Google Maps、YouTubeといったGoogleアプリは、iPhone上でも人気が高い。iPhoneの出荷台数は5000万台以上に達している。Appleは6月7日、Worldwide Developer Conference(WWDC)で「iPhone 4」を発表した。
Appleが競争上の理由でiPhone向けのGoogle Voiceを拒絶するという行動に出たこともあり、AppleとGoogleの関係はぎくしゃくしている。しかしAppleのスティーブ・ジョブズCEOによると、iPhoneやiPadタブレットでGoogleをデフォルトの検索プロバイダーから外す予定はないとしている。
ナラワディ氏によると、Googleでは、Gogglesの基盤となる画像認識技術をAPIとして年末までにリリースする予定だという。
Google LatitudeとGoogle Buzz用のAPIを最近リリースしたばかりのGoogleは、自社の既存のアプリ向けの追加アプリケーション、プラグイン、各種Webサービスを開発者が作成するためのプログラミングインタフェースを提供するのには慣れている。
ReadWriteWebの記事によると、ナラワディ氏は「APIは優れた手段であり、いずれ画像認識技術をAPIとして提供したい」と語った。
Googleでは、Gogglesの対応画像の範囲も徐々に拡大する方針だ。発表当初は場所、芸術作品、製品、バーコードなどのオブジェクトをサポートしていたが、今後、ほかの画像にも対応するという。
Googleは5月6日、Google Gogglesアプリケーションのアップデート版となるバージョン1.1でテキスト翻訳機能を追加した。これにより、例えば海外旅行中のユーザーが外国語で書かれた文章の写真を撮影すると、それを母国語で読むことができる。
今のところ、海外旅行者が道路標識やレストランのメニューなどのテキストを撮影して、それを母国語で読むという利用形態がGogglesの主要な活用方法になっている。
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