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見た目では分からない富士フイルム「X-T3」の進化っぷり荻窪圭のデジカメレビュープラス(5/5 ページ)

» 2018年11月08日 07時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]
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 フィルムシミュレーションにX-H1で採用された動画用の「エテルナ」が追加された。ダイナミックレンジを広く撮るため階調が柔らかくなるのが特徴だ。

フィルムシミュレーションにエテルナが追加された

 X-T2にはまだなかったダイナミックレンジを拡張するモードも付いた。

 富士フイルムのダイナミックレンジ調整はハイライト部のみでシャドウ部はそのままだったが、ダイナミックレンジ優先をオンにすると階調をコントロールしてシャドウ部も持ち上げてくれる。

 右側が、ダイナミックレンジ優先をオンにしたもの。分かりやすいですな。

同じシーンで、ダイナミックレンジ優先のオンとオフ

 オンにするとかなりHDRっぽくなる。シャドウ部が浮きやすくなるが、明暗差が大きな構図ではかなり力を発揮する。

ダイナミックレンジ優先をオンにして屋敷稲荷と青空を。HDRで撮ったっぽい感じに。ISO感度が高いのは、おそらく感度を上げてアンダーで撮影し、内部で画像処理をかけているからだろう(18-55mm 18mm 1/1300秒 F5.6 ISO640)

 さらに陰影を強調するカラークローム・エフェクトも追加された。画作りに関する機能は実に多彩だ。

 最後に追加作例をちょっと。

モンブラン。食べ物作例もってことで(18-55mm 42.5mm 1/60秒 F4 +1 ISO1600)
秋祭りで神輿が街を練り歩いている姿を発見し、90mmF2で。スナップ撮影にもいい(90mm 1/1700秒 F2 ISO320)

 そんな感じ。

 使っていて不満を感じたのは、上記のタッチパネル関連と、バッテリーの持ちくらいかな。公称では増えているけど、やはり連写する機会も増えるので、もうしょうがないので予備を持って行くか、随時モバイルバッテリーからUSB充電するくらいの感じが良さそうだ。

 意外に便利だったのはBluetooth常時接続機能。スマートフォンへの画像転送を行わなくても、これを使って、日時を自動的に合わせたり、位置情報をスマートフォンから得られるのは便利。

 まあつまるところ、もともと完成度が高かった名機X-T2が、その良いところ(デザインや操作感)はそのままに、内部をパワーアップしたのがX-T3と思っていい。

 スナップからスポーツや動物まで対応する汎用性、専用のダイヤルやレバーを駆使してダイレクトに設定を変えてさっと撮るという気持ちよさを味わいたい人はぜひ。

 ミラーレス一眼で注目すべきはフルサイズセンサーモデルだけじゃないぞ、と知らしめてくれる1台だ。

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