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富士通、理研のデータ基盤システム「HOKUSAI-SailingShip」を構築

» 2020年10月21日 11時35分 公開
[ITmedia]

 富士通が理化学研究所(理研)向けに構築したデータ基盤「HOKUSAI-SailingShip」がこのほど、本格的な運用を始めた。物理学や化学など各分野の研究プロジェクトで分散していたITシステムの共通化が可能となった。

 HOKUSAI-SailingShipは、米Intelの最新CPU「第2世代Intel Xeon スケーラブル・プロセッサ」を搭載した「FUJITSU Server PRIMERGY CX2550 M5」440台で構成。サーバにはオープンソースの仮想マシン環境「OpenStack」をベースにした米Mrantisのクラウド基盤「Mirantis Cloud Platform」を採用している。

photo 理研が採用した富士通の「HOKUSAI-SailingShip」

 サーバ群を広帯域のイーサネット網で接続することで、事務用途や研究用途に計算資源を柔軟に割り当てられるとしている。ストレージは30PB(ペタバイト)。さまざまなプロトコルに対応したストレージシステムを採用することで、パブリッククラウドなどの外部システムとのデータ連携が容易になったという。

photo 「HOKUSAI-SailingShip」の主な仕様

 理研では物理学や化学など各分野の研究開発を進める中で、パブリッククラウドを活用したシステムの必要性が高まっていたという。従来は各研究で別々のシステムを使用していたために、必要に応じて柔軟に計算資源を割り当てるのが難しかったが、プライベートクラウドを導入しパブリッククラウドとの連携を容易にすることで、より柔軟に計算資源を供給できる仮想マシン環境が整ったとしている。

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