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見たいものにぐっと寄れて写真や動画も撮れる 手のひらサイズのデジタル単眼鏡「Powershot Zoom」が面白い(3/3 ページ)

» 2020年12月20日 08時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]
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カメラとしてはイマイチだが単眼鏡としては十分使えそう

 Powershot Zoomは写真も撮れるデジタル単眼鏡だ。単眼鏡という言葉に馴染みがなければ「デジタルコンパクト望遠鏡」といってもいい。

 記録メディアはmicroSDカード。側面のカバーを開けるとUSB Type-C端子と一緒にスロットがある。PCなどに吸い上げるならUSBケーブル直結が簡単でいい。

 バッテリーは内蔵でUSB Type-C端子を通して充電する。1つ重要なのは、充電はUSB PD専用ということ。USB PD出力ができる電源(あるいはモバイルバッテリー)じゃないとダメなので注意したい。カジュアルに使えるカメラなので通常のUSB電源からでも充電できる仕様にしてほしかったとは思う。

充電はUSB PDのみ、というのは製品の性格を考えると戸惑う人多そう

 用途としてはスポーツ観戦時や野外活動時にポケットやバッグに忍ばせておき、遠くをしっかり見たい時、遠くに気になるものを見つけた時にサッと取り出してのぞく。すると大きく見えてディテールを確認できる、という感じ。子供のスポーツを撮ることもできるが、写真でしっかり残したいならそれなりのカメラの方がいい。

 スポーツ観戦なら撮影よりも観戦メインで時々望遠鏡として使いながら、お気に入りの選手やプレーを写真や動画で残すって感じがいいだろう。広角写真はスマートフォンで、望遠写真はPowershot Zoomでって感じで使い分けるのがおすすめだ。

 ただ、レンズは少々暗め(F5.6とF6.3)で高感度にも強くないので室内スポーツは難しい。それは覚悟したい。動きものを撮ることを前提としているのかシャッタースピードは速めに維持される(基本、1/500秒のようだ)ので感度はすぐ上がるのだ。

 トレッキング……まではいかなくても、自然の中を散歩するのが好きなら、これをポケットに忍ばせておき、「あれなんだろう」と思った時にのぞいたり、鳥などを見つけた時にサッとチェックして写真を撮るのにいい。

 あ、猫がいた、とか。

塀の上で寝ていた猫をそっと遠くから撮影(400mm相当 1/500秒 F6.3 ISO200)

 あ、ハシビロガモがいた、とか。

比較的近くにいたのでアップで撮れたが、日暮れ間近だったのでISO2000まで上がってしまった(400mm相当 1/200秒 F6.3 ISO2000)

 遠くに女子がいた、とかだ。あ、もちろん見知らぬ人を遠くからこっそり撮ってるわけではありません。見りゃ分かるけど。

逆光にはちょっと弱いかな(400mm相当 1/500秒 F6.3 ISO500)

 ガチな望遠撮影にはクオリティー的に物足りないが、小型デジタル単眼鏡として携帯するには最高に楽しめる。野鳥観察や動物園の友、スポーツ観戦の友、さらに普段から持ち歩いてちょいと遠くのものをチェックしたい時もいいし、何気ない街中のシーンでも望遠で撮ると面白いことは多い。

 遊びに行くときにバッグの片隅や上着のポケットに忍ばせておきたいガジェットだ。

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