在宅勤務のコミュ不足をeスポーツで解決 幹部も「波動拳」練習──凸版印刷の新たな“社内運動会”(1/2 ページ)
コロナ禍をきっかけに、急速に広まりつつある在宅勤務やテレワーク。働く場所が自由になる一方、「コミュニケーションが減る」「社員同士の関係が深まらない」などの問題も出てきている。こういった課題を、eスポーツを使った社内イベントで解決しようと取り組む企業がある。
「開催前夜は、グループ企業の社長が『ストリートファイターV』で『波動拳』を撃つ練習をしていました。中には対戦に備えてゲーム機を買った人もおり、当日は“幹部同士のダルシム対決”などが特に盛り上がりました」──凸版印刷の原田香織さん(情報コミュニケーション事業部 eスポーツプロジェクト 事務局長)は、1月に実施した社内イベント「TOPPAN eSPORTS FESTIVAL」についてこう振り返る。
TOPPAN eSPORTS FESTIVALは、コロナ禍の影響で実施できなくなった社内運動会の代わりに開催。凸版印刷では従来、グループ企業など全社横断型の運動会を隔年で実施していた。しかし昨今はコロナ禍の影響でこれまで使っていた西武ドームや幕張メッセなどの会場が借りられず、在宅でも参加できるeスポーツイベントに切り替えたという。
従来の運動会に代わるイベントとして開催したTOPPAN eSPORTS FESTIVALだが、実際はどんな様子だったのか。原田さんによれば予想外のハプニングや盛り上がりにより、当初の想定以上に従業員同士のコミュニケーションが活発化したという。
コメント欄が大盛り上がり──「ストV」で予想外のハプニング
参加者は国内や上海にあるグループ企業の従業員やその家族、2021年4月に入社予定の新社会人など約5万人。当日はゲストや従業員向けに特設サイトをオープンし、自宅や全国の拠点15カ所からアクセスして参加・視聴してもらった。
配信にはYouTubeや、上海にある拠点の従業員向けに中国DouYuが提供する映像ストリーミングサービス「DouYu」を利用。試合の解説にはプロのeスポーツプレイヤーであるふ~どさんや、その妻でゲーム好きのタレントとしても知られる倉持由香さんなどの著名人を起用した。
競技タイトルは格闘ゲーム「ストリートファイターV チャンピオンエディション」(ストリートファイターV)とサッカーゲーム「eFootball ウイニングイレブン 2021 SEASON UPDATE」(ウイイレ)。この2タイトルを選んだのは、eスポーツタイトルとして人気が高く、ゲームに詳しくない人でも戦況が分かりやすいことが理由だ。
ストリートファイターVでは、事前に上海や全国の拠点で予選を実施。勝ち残った上位32人を16チームに分け、トーナメント形式の本戦を行った。本戦では「見知った顔がいる方が視聴者も盛り上がる」としてグループ企業の幹部などを各チームに追加。それぞれ3人1組のチームにして勝負を行った。しかし実際に行ってみたところ、予選ではユニークなハプニングが起きた。
格闘ゲーム業界で有名な人物の一人に、太刀川さんという人がいる。「ストリートファイターII'」(ツーダッシュ)というゲームの全国大会で優勝したことがあり、eスポーツ選手として有名な梅原大吾(ウメハラ)さんにも一目置かれる人物だ。「彼が当社グループに所属していることが予選のときに初めて分かった」と原田さんは振り返る。
「彼のチームは本戦でも決勝まで勝ち上がってきて、コメント欄は大盛り上がりだった。ウメハラさんのチームに所属しているふ~どさんも驚いていた」(同)
一方のウイイレでは、予選を勝ち抜いた48人を16チームに分けてトーナメントで本戦を実施。こちらは“幹部枠”を設けず、実力重視で出場者を選出した。そのためか選手は若手が多く、原田さんは試合後にグループ社員から「若手社員同士で作ったLINEグループが盛り上がっていた」と報告を受けた。
ゲームに興味が薄い人や子供向けのプログラムとして、クイズ大会やモデルの福田萌子さんによるトークショーなども実施。当日の配信はゲーム2種とそれ以外の計3チャンネル体制で行い、後日アーカイブも用意した。
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