「Pokemon GO」で知られる米Nianticは11月8日(現地時間)、同社が「現実世界のメタバース」と呼ぶAR開発者向けプラットフォーム「Lightship」のリリースと、UnityベースのARアプリ開発キット「Niantic Lightship ARDK」の提供開始を発表した。
8月に「メタバースはディストピアの悪夢」と警鐘を鳴らしたジョン・ハンケCEOは、「Nianticの設立当初から変わらない目標は、世界中の人々にARを体験してもらうプラットフォームの構築だ。そのためには可能な限り多くの人々の意見と視点が必要だ。だからこそ、開発者、ブランド、クリエイターの皆さんにLightshipのプラットフォームを利用してもらえることを非常に嬉しく思う」と語った。ハンケ氏の提唱するメタバースは、仮想世界に入るのではなく、現実世界で人々を直接結びつけるものという。
Lightshipプラットフォームは、「Ingress」や「Pokemon Go」、最近公開された「Pikmin Bloom」などを開発・運営してきた同社のゲームの基盤となるもの。
ARDKはAndroidおよびiOS向けのLightshipアプリを構築するためのソフトウェア開発キット。Unityと統合されており、Mapping(リアル タイムでの現実世界の再現)、Understanding(環境の理解)、Sharing(体験の共有)の3つのAR機能をアプリで提供できる。
体験の共有のためのAPIで、最大5人のプレーヤーを同時にサポートするARセッションを構築できる。下の動画は、3人のプレーヤーが共同で同じARオブジェクトを加工するデモだ。
同日公開された発表イベント動画では、日本の集英社、英Science Museum Groupなどのパートナー企業がこのARDKで構築したARを紹介した。ソフトバンク、米Universal Pictures、米Warner Music Groupもパートナーブランドに名を連ねる。
同社はまた、Lighshipに参加する企業を対象に2000万ドル(約23億円)を投資することも発表した。
イベントのQ&Aコーナーでは、同社が開発中のARメガネについての質問があったが、「現時点で発表できることはない」という回答だった。「ARメガネは非常に人気のあるハードウェアになると確信しており、ARメガネで魔法のような体験をするのに役立つツールとテクノロジーのサプライヤーになるつもりだ」。
Lightship ARDKは公式サイトからダウンロードできる。
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