やはりFold 3の特徴はペンだ。
ペンアプリ「Samsung Notes」との連携は本当に強力である。ペンで音声録音をしながらメモをとり、後から手書きした文字を手掛かりに検索し、そこで何を言っていたのか録音を確認しながらメモをチェックする……ということまでできる。
要は、「書いた場所とのシンクロ録音」「手書き文字認識による検索インデックス」という2つの機能を兼ね備えているわけだ。メモツールとしてとても使いやすい。
こうした要素はGalaxy Noteの時代から培ったもので、さすがだと思う。
では、それらを他の機器でどう生かすのか?
そうなると、Windowsではとてもよく環境が整備されている。
Microsoft Storeから「Samsung Notes」アプリをダウンロードして連携すればメモは同期され、PC上で利用できる。もちろん無料だ。Surfaceなどのペン対応PCなら、Samsung NotesをPCでの手書きメモアプリとしても使える。
Windows 10以降に搭載されている「スマホ同期」アプリと合わせて使うといいだろう。SamsungはMicrosoftとの関係を強めており、OneDriveなどとの連携も行われている。
AppleがMacとiPhone、iPadの間でやってきたことではあるが、より広いデバイスでできるのは魅力ではある。
一方、逆にMacを使っていると、メモ連携なども制限が出てくる。Samsung Notesには「OneNoteとの連携」が謳われているのだが、これが、OneNote「アプリ」とではなくWebサービスとの連携になっており、画像は見れても録音は再生できないなど、制限も多い。
まあ、iPadの方も、Windowsから純正のメモのデータを使おうとするとWeb経由になったりするので、相互の行き来はけっこう面倒、というのが実情だ。
筆者はメインのメモに、Mac/iOS/iPadOS用のメモアプリ「Notability」を長年使っている。これにはWindows版・Android版がないものの、クラウドにPDF+録音データとして自動バックアップできるので、Windowsなどからも「メモデータを閲覧する」ことはできる。
今のところ、Fold 3は立ったままのメモ、例えば展示会取材や会見での囲み取材に使うことを想定しているが、出番はまだない。
そうした「立ったままの取材」がもっと戻ってくるようなら、データの統合や相互利用をどうするか、もう少し考えないといけないかもしれない。
まあ、個人的には、日常的にはMacとWindowsが両方立ち上がっているので、何とでもなるのだけれど。
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