「もう一つの容姿」というだけあって、追加できる容姿は1つだけ。これ以上登録はできないので、これでダメならFace IDをリセットすることになる。
再度登録したところ、これまでとは打って変わって認識率が上がり、それ以降、ミスすることはなくなった。認識しなくなった原因には心当たりがある。
Face IDを最初に使ったのはiPhone Xのときなので、2017年秋。それから4年半の歳月が経過した。「多くのユーザーにとって、Face ID はその人の変化に伴い、継続的に学習していってくれます」というのだが、それでも対応できないくらいの変化が起きたということのようだ。
筆者は2021年4月に再開したロードバイク(Zwiftによるインドア含む)により、半年で15kg体重を落としたので、だいぶ容貌が変わったようで、友人から痩せたと指摘されることが増えた。しばらく会っていなかった家族からは、何か病気なのではと心配されたこともある。
そういえば、体重が安定した2021年の冬に入った頃からFace IDの認識率が落ちていたようだ。Face IDはTrueDepthの深度センサーによって顔の3Dマップを計測し、それを登録しているものと比較して同定する。「その人の変化に伴い、継続的に学習」するというが、それが間に合わなかったということらしい。Face IDを出し抜くくらいのダイエットに成功したということだろうか。
しかし、毎日何度も顔のスキャンをしているのだから、もっと有効利用したいところだ。
「だいぶ痩せましたね」「食事を見直した方がいいですよ」「目が赤いですけど睡眠は足りていますか?」「顔色がすぐれないようです」といった健康のアドバイスをしてくれる“魔法の鏡”機能もいつか追加してほしい。
内蔵カメラで顔を定期的にスキャンして健康状態を推定し、問題があれば緊急連絡先に通知するといった機能は、見守り用のスマートディスプレイに備えられてもいい。
先日、NHLのチームスタッフの首元を見た観客の医学生が、スタッフのホクロの形が癌を示しているかもしれないと知らせ、スタッフの命を救ったというニュースが報じられたが、同じようなことを、毎日使っている顔認証システムがやってくれる可能性もある。
「モルダー、あなた疲れているのよ。そしてそのホクロの形は皮膚癌かもしれないわ。診察を予約しておくわね」といったところまでやってくれる「本当に賢い」Face IDの登場に期待したい。
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