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Spotify、新型コロナ関連コンテンツ対策を説明 JREへの批判を受け

» 2022年01月31日 10時30分 公開
[佐藤由紀子ITmedia]

 スウェーデンSpotifyのダニエル・エクCEOは1月30日(現地時間)、「Spotifyのプラットフォームルールと新型コロナへの取り組み」と題した公式ブログを公開した。同社が独占契約しているジョー・ローガン氏の人気Podcast「The Joe Rogan Experience」(JRE)への相次ぐ批判を受けたものだ。

 Spotifyは2020年5月、JREの複数年にわたる独占配信権でローガン氏と契約した。契約金は1億ドルだ。JREは2021年に最も再生されたPodcastだった。若者に人気のJREでは、新型コロナワクチンは有害だとしてワクチン接種に反対するコンテンツなどを配信している。

 Spotifyは今後、新型コロナ関連コンテンツにはコンテンツアドバイザリーを表示し、Spotifyが新設した「COVID-19 情報」ハブにリスナーを誘導する。

 covid 1 日本語版もある「COVID-19情報」ハブ

 また、同社の対策についての透明性を高めるため、新型コロナ関連を含むポリシー違反コンテンツについてのクリエイター向けプラットフォームルールを公式ブログで公開した。

 このルールでは、どんなコンテンツが問題で、問題のあるコンテンツを配信してルールに違反したクリエイターにどのように対処するかが示されている。

 新型コロナ関 連は「危険なコンテンツ」の中の「オフラインでの危害を引き起こしたり、公衆衛生に直接脅威を与える可能性のある、危険な虚偽または危険な欺瞞的な医療情報を助長するコンテンツ」というカテゴリーに該当する。

 ルールに違反すると、まずは違反コンテンツがSpotifyから削除される可能性があり、何度も違反したり、悪質な違反をすると、アカウント停止あるいは終了になる。

 エク氏は公式ブログで、「ここ数日、プラットフォームポリシーおよび許容するものとしないものとの境界についての多くの質問を受けた。(中略)これらの問題は非常に複雑だ。われわれは皆さん、特に医療、科学関連の専門家の方々の意見に耳を傾けている」と、Spotifyに10日に送られた医療・科学専門家による抗議の公開書簡への対応であることを示した。ローガン氏のPodcastについては言及していない。

 JREを取り締まるルールを明示しないSpotifyに対し、ミュージシャンのニール・ヤングが26日に、それに続いてジョニ・ミッチェルが28日に抗議のために楽曲を引き上げると発表した。

 本稿執筆現在、特に問題になっているJREのコンテンツには、まだコンテンツアドバイザリーは表示されていない。

 spotify JREのコンテンツ

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