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Metaだけではない ジャパンディスプレイ、ソニーも追う、新世代HMDの技術トレンドとは何か(7/7 ページ)

» 2022年06月29日 13時33分 公開
[西田宗千佳ITmedia]
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課題は「バッテリーなどを含めた重さ」

 ただ、究極的な問題がまだ残っている。重量だ。

 MeganeXは250g、VIVE Flowは189g、Nreal Airは79gと非常に軽い。

 筆者もNreal Airを日常的に使っているが、この軽さと手軽さの価値が非常に大きい。画質的にも(発色に不満はあるが)十分で、寝ながら映画を見たり本を読んだりしても負担がほとんどない。従来のHMDとはかなりの差だ。

 ただ、これらの小型・軽量を謳う機器は「単体」では動かない。ケーブルでPCやスマートフォンと接続することが前提であり、処理系もバッテリーもそれらの機器に依存している(正確にはVIVE Flowはバッテリーも内蔵しているものの、本体駆動用ではなく、外部バッテリーなどを交換するときのための補助用)。

 だが、ケーブルも付属機器もない「スタンドアロン型」の方が使い勝手はいいし、一般に広がるのもスタンドアロン型と考えられる。そうすると、「バッテリーや処理系を搭載した上でさらに軽くするにはどうすべきか」という課題にも直面することになり、これは簡単な話ではない。

 MetaがHOEを使ったデバイスに注目するのも、レンズなどの質量を減らしつつ、デバイスを薄いものにすることに効果的だから、という側面がある。

 そう考えると、理想的な「軽いスタンドアロン型」が出てくるのはまだ随分先のことになりそうだ。

 だが、その前段階として「ケーブルはあるがかなり軽量なもの」と、「まだ少し重いが、以前よりも大幅に快適になったもの」が市場に現れ、使い分ける時期がある。それが、2022年からの数年間、ということになりそうだ。

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