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ニコンの動画カメラ「Z 30」の実力は? ミラーレス一眼としても高性能荻窪圭のデジカメレビュープラス(1/5 ページ)

» 2022年07月31日 09時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 APS-Cセンサー機に注目の2022年、ニコンからも来たのである。Zシリーズの最廉価モデル「Z 30」。

上面がフラットになってコンパクトなZ 30。ちょっと四角い感じが印象的。実売価格はボディのみで9万8000円前後

 これのコンセプトは動画、というかVlog。2021年にソニーから「VLOGCAM」と名付けられたシリーズが登場してヒットしたけれども、あれのライバル登場、と思えばいいかも。

 EVFは省き、その代わりボディをぐぐっとコンパクトにし、マイクを強化し、動画撮影用に専用のアクセサリーを用意したのだ。

 ベースとなった(と思われる)「Z 50」やそのバリエーションであるクラシカルなデザインが人気となった「Z fc」でももちろん動画撮影は可能だったけれども、軸足は静止画の方に置いていた。

 Z 30の軸足はVlogを売りにしているとはいえ、静止画と動画のちょうど間にあるという印象だ。静止画……特にスナップ撮影用としてすごく使いやすいし、Vlog的な身近な動画撮影用としても使える。

 そんな製品である。

Vlog用といいつつもミラーレス一眼としても高性能なのだった

 Z 30はVlogユーザーがターゲットのカメラといいつつ、携帯しやすいコンパクトなミラーレス一眼として優秀である。

 EVFはないけれども、なによりグリップがほどよく深くてしっかりしており、しっかり構えて撮りやすい。これは大事だ。

 上から見るとよく分かる。

コンパクトながらグリップはけっこう深い。ボタン類の配置はZ 50をほどよく継承してる感じだ

 正面から見ると、ほぼグリップとマウントなんだけど、前電子ダイヤル、Fn1とFn2キーといったZシリーズの特徴はしっかり継承している。

 イメージセンサーはAPS-Cサイズで約2088万画素。ボディ内手ブレ補正はZ 50やZ fcと同様に未搭載で、レンズ側の手ブレ補正を使うことになる。

ボディとマウントのサイズ感が妙なのはマウントが大きいから。実物はかなりコンパクトで精悍だ

 続いて背面。

 ファインダーがない分正面がフラットですっきりしている。

 注目はDISPボタン回りにある静止画・動画切換レバー。写真は静止画の時。

背面のボタンは多め。画面は静止画モード時

 こちらは動画の時。レバーが動画モードになっている。レバー1つでさっと切り替えられるのはけっこういい。

 写真モードの時に動画ボタンを押しても録画はされないし、その逆もしかりだが、おかげで静止画時は静止画用の、動画時は動画用の画面になるので分かりやすいし、撮影モードダイヤルに動画ポジションを持つカメラもあるけど、ダイレクトなスイッチの方が明示的でいい。

 キットレンズは「NIKKOR Z DX 16-50mm f/3.5-6.3 VR」(35mm判換算で 24-75mm相当)。沈胴式で非常に軽い。

キットレンズ(DX 16-50mm)を装着したZ 30。レンズは沈胴式なので収納時はすごく薄くなる

 ではいつものガスタンクから撮る。広角端で撮影モードはAUTOだ。

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