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「Insta360」のアプリで無茶な動画を作ってみた荻窪圭のデジカメレビュープラス(1/6 ページ)

» 2022年08月28日 08時00分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 360度カメラは数あれど(というほどはないか)、エンタメ系360度といえば「Insta360」シリーズだ。そのInsta360に1インチセンサーを2つ使ったハイエンド機「Insta360 ONE RS 1インチ360度版」が登場した。今回はこれを使ってフルHD動画を作ってみた。

1インチセンサーを2つ使った全天球カメラのハイエンド機「Insta360 ONE RS 1インチ360度版」

 360度カメラの先駆者であるリコーの「THETA」シリーズは360度写真のクオリティは高いけど、エンタメ系じゃない(まあ、リコーがエンタメばりばりのカメラを出したらそれはそれで驚きだ)。360度画像/動画で遊ぶならInsta360が筆頭といっていい。

 そのエンタメっぷりを支えるのがオリジナルのアプリ。

 360度動画の特徴は、いうまでもなく全天球映像が記録されているから、鑑賞するときは好きな方を自由に見られる。でもそれ、面白いけれども、意外にめんどくさい。

 見る側としては常に全方向を意識してあっちやこっちを向かなきゃならないし、撮る側としては「あ、ここではあっちを向いてほしい」と思ってもどうにもならない。VR用コンテンツとして撮る方も見る方も分かってる場合は臨場感ごと楽しむ前提だからいいけど、その楽しみ方はまだポピュラーとはいえない。

 で、Insta360は「全方向の映像を素材として、後から必要なアングルだけ取り出してフルHDの映像を作る」という斬新な楽しみ方をアプリで提供しているのだ。

 これ、アイデアは最高なのだけど(何しろ、素材には全方向の情報が入っているのだから、編集し放題だ)、全天球映像の一部を切り出すことになるのでクオリティに難があった。

 そこに一歩踏み出したのが今回の「Insta360 ONE RS 1インチ360度版」なのである。

 名前は長いけど、要するに、Insta 360 ONEという「カメラ部とコア(ディスプレイやコントロール部)とバッテリー」のそれぞれを合体して使うカメラシステムの「1インチセンサーを使った360度カメラ」バージョンだ。カメラ部が大きくなったこともあってか、縦長の構成になった。

大きなカメラモジュールとコアとバッテリーを縦に3つつないで使う。レンズには「LEICA SUPER-SUMMICRON」とある。ライカレンズだ

 一番のポイントはセンサーサイズが大きくなったことでクオリティがぐんと上がったこと。6Kサイズのハイクオリティな全天球映像を撮れるようになったのだ。レンズもライカである。

 クオリティが上がった分、そこから作り出すフルHD映像のレベルもぐんと上がったわけで、「フルHD映像を作るための全天球カメラ」といって過言じゃないのだ。

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