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XのヤッカリーノCEO、EUのDSA順守要請に応える書簡をポスト 「何万ものポストを削除した」

» 2023年10月13日 09時46分 公開
[ITmedia]

 米X(旧Twitter)のリンダ・ヤッカリーノCEOは10月12日(現地時間)、欧州連合(EU)欧州委員会のティエリー・ブルトン委員が10日付でイーロン・マスク氏宛に送った書簡に応える書簡を公式Xアカウントで公開した。


 ブルトン氏からの書簡は、イスラエルとハマスの軍事衝突に関連するプラットフォーム上の偽情報などの対策について、24時間以内の報告を求めるというもの。同氏は「違法なコンテンツや偽情報の拡散にX/Twitterが使われている兆候がある」とコメントした。

 Xは、8月に発効したEUのDSA(デジタルサービス法)の対象となるプラットフォーム企業。DSAは、プラットフォーム運営企業に対し、違法コンテンツなどの社会的リスク拡散に対処することを義務付けている。違反した企業には年間収益の6%に相当する罰金が科せられる可能性がある。

 ヤッカリーノ氏は「ハマスによるイスラエルへのテロ攻撃に対応し、われわれはリソースを再配分し、激変する状況に対処するために24時間体制で取り組む社内チームを再集中させた」とコメント。書簡では軍事衝突後、「何万件ものコンテンツを削除またはラベル付けし、数千の投稿にコミュニティノートが表示された。コミュニティノートは数百万ものインプレッションを生み出した」と説明した。

 linda リンダ・ヤッカリーノCEOの書簡全文

 また、ブルトン氏が書簡で「Xのサービス上で流通している潜在的に違法なコンテンツについて、適格な情報源から報告を受けている」と指摘したことに対し、ヤッカリーノ氏は「われわれは違法コンテンツに関してユーロポールから通知を受け取ってはいない」とし、欧州委員会に対し、調査のために詳細を提供するよう求めた。

 これを受け、ブルトン氏は「Xから返信を受けとった。DSAの執行チームは回答を分析し、次のステップを決定する」とポストした。

 欧州委員会は同日、Xに対し正式な情報要請を送ったと発表した。ブルトン氏の先の書簡と異なり、これは正式なもので、Xに対し、18日までに危機対応プロトコルについての質問に対する返答を、21日までに欧州委員会が要求した情報の提供を求めている。

 その返答を分析し、場合によっては罰金を科す。また、Xが返答できなかった場合にも期限付きのペナルティを科す。

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 ブルトン氏は米Metaのマーク・ザッカーバーグCEO米TikTokの周受資CEOにも同様の書簡を送っている。

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