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「AIに仕事が奪われるかも」時代をどう生き抜く 記者歴20年の45歳が考えるNEWS Weekly Top10(1/2 ページ)

» 2024年03月18日 12時40分 公開
[岡田有花ITmedia]

「何度もやって成功するんや」

 宇宙事業を手掛ける日本の民間企業スペースワンが、小型ロケット「カイロス」初号機の打ち上げに挑戦した先週。発射後に何らかの異常が発生し、機体はリフトオフの約5秒後に空中で爆発した。

画像 テレビ和歌山がYouTubeで配信していた打ち上げライブ中継に映し出された爆発の様子

 当日は、打ち上げを見ていた人のインタビューがテレビのニュースで流れていた。「残念」という声が多かったが、児童を連れて見ていた小学校の校長が、「こういう挑戦は何度もやって成功するんや! 次も応援しよう!」と子どもたちに力強く話していたことが印象深かった。

記者の仕事がAIに置き換えられる時代?

 アクセス2位には、AIベンチャーの米Anthropic(アンスロピック)が開発したチャットAI「Claude 3」(クロード・スリー)を試した、吉川大貴記者の記事が入った。

 Claude 3を使い、ニュースリリースを基にした記事の執筆(業界では「リリース起こし」を呼ばれる)を試した結果、「そこそこいけるな……少なくともGPT-4よりはイケる」と所感を述べている。

 筆者はフリーライターで、リリース起こしの仕事が重要な収入源だ。この記事を見て「自分の仕事がAIに取って代わられるのでは」と不安になり、Claude 3を試してみたが、確かにリリース起こしの能力はGPT-4より高く、「AIが人間の記者にまた迫ってきたな」と脅威に感じた。

画像 チャットAI「Claude 3」

「仕事なくなるかも」と何度も思った20年

 一方で「この不安感、過去に何度も経験しているな」とも思った。筆者は2003年からネット記者業を続けているのだが、新たな事態に直面して「専業記者は不要になる」と不安になることがたびたびあったからだ。

 そもそも03年は、紙の新聞や雑誌が元気だった。当時ネット専業記者はほとんどおらず、新聞や雑誌の記者がまぶしく見えた。無料の媒体で記事を書くことが職業として成り立つこと自体が不思議だったし「ネットメディアはもうからない」と当たり前のように言われていた。

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