先週のアクセス3位には、米AdobeがPhotoshopなどの「年間プランの月々払い」について、早期解約手数料を隠し、解約を困難にすることで消費者を欺いているとして、米司法省が同社を連邦地裁に提訴したという記事が入った。この提訴を歓迎するユーザーは多く、筆者もその一人だ。
Adobeはサブスクリプションサービス契約の際に「年間プランの月々払い」をすすめてくる。月額払いより割安なため、ユーザーもこのプランを選びがちなのだが「年間プランの月々払い」を中途解約しようとすると、莫大な手数料(残存契約期間の料金の50%)が一括で請求される。
「途中でいらなくなったら解約すればいいや」と思って安易に年額契約すると、契約期間中に解約を試みたときに「こんなに払うの?」とびっくりすることになる。かつて日本の携帯キャリアに存在し、総務省からの要請などで撤廃された、解約手数料のようだ。
Adobeのサービス申し込み画面を改めて確認してみた。
例えばPremire Proプランなら、月々プラン(月4980円)、年間プランの月々払い(月3280円×12カ月)、年間プラン(3万4680円)の一括払いの3パターンが表示される。年間プランの月々払いの注釈には「○月×日(無料体験期間)までの前日までに解約すると、手数料はかかりません」と書かれているだけだ。
最後にある「i」ボタンを押すと「14日を経過してから解約する場合(中略)早期解約金が請求されます」とあるが、解約金がいくらになるかは書かれていない。Adobeの解約に関するサポートページにも金額(契約残存期間の料金の50%)は明示されておらず、さらに細かい法務ヘルプページの解約の欄を最後まで読むと、ようやく見つかった。
契約時は解約手数料をひた隠しにし、解約しようとすると、手数料をドーンと大きく表示して、ユーザーを引き留めようとしているようだ。
Adobeは、司法省の提訴内容について「サブスクリプション契約の条件は透明であり、キャンセル手続きも簡単だ」と主張している。だが、このような表示は「透明」には思えない。何ステップもある解約画面は「簡単」といえるだろうか?
今回の司法省の訴訟で、Adobeのサブスクリプションサービスの費用が、真の意味で透明になってくれることを願っている。
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