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ニコン「Z6III」を試す 部分積層型CMOSの実力は? 進化したAFとファインダーにも注目荻窪圭のデジカメレビュープラス(1/7 ページ)

» 2024年07月13日 18時37分 公開
[荻窪圭ITmedia]

 ちょっと前モデルからレベルアップしすぎだろ感が漂う3代目が来た。ニコンの「Z6III」である。

ミドルクラス向けながら上位機種の高性能を多く詰めこんだ高性能モデルに進化したZ6IIIだ

 Z6IIが2020年発売だったから、4年分の進化があるのだ。

 ただ、全体にレベルアップしてるので「Z6IIIは良いそうだけど、どこが良くなったの?」と言われると困る。

 どこかに特化したレベルアップじゃないし、何から何までレベルアップしたわけでもない(例えば画素数は約2450万画素のままだ)。

 なのでその辺を気にしつつ見ていきたい。

部分積層型イメージセンサーってほんとにすごい?

 何はともあれイメージセンサーである。これが新しくなった。

正面から。中央にあるのが新型の部分積層型CMOSセンサー。よーく見ると撮像部の上限に横長の回路が入っている

 いわゆるフルサイズセンサーで画素数は2450万画素。「Z7」の4575万画素や「Z8/9」の4571万画素と比べると少なく、従来と同じ画素数だ。

 でも、そのセンサーは新開発の「部分積層型」イメージセンサー。「撮像エリアの上下に高速処理回路を積層配置」したそうである。ちなみに、Z8/9は部分じゃなくて「完全」積層型イメージセンサー」。「部分」にしたことでコストを抑えたのですな。

 積層型のメリットは読み出し速度を上げられること。そうすると、AF速度も上げられるし連写速度も上げられるし、電子シャッター時の歪みも減らすことができる。

 Z6IIIは、Z8/Z9ほど高速ではないため、メカシャッターも積んでいるが、従来のZ6IIや「Zf」のセンサーに比べると約3.5倍の読み出し速度を実現したということで、具体的にどのくらい違うのか、他の機種と比べてみたい。

 撮影日時は異なるが被写体は同一。回転するファンを電子シャッターで撮影した。従来型のZfと他社の代表的なフルサイズセンサーカメラってことでソニーの「α7C II」、そして積層型のZ8が比較対象だ。

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