そういう観点からNRエディターを見ると面白いのは、「これが出来ないの?」というのがある代わりに、「こんな機能必要?」という機能が結構いっぱいあって、それが「電子書籍作り」とはどういうことかを示しているように思えること。一般のエディタやワープロに慣れている目で見た時、「え?」と思う部分にこそ、電子書籍編集という作業のキモが隠れていたりするのだ。その意味で、これを使うというのは、ある意味、電子書籍について学ぶことになるような気がする。
例えば、字下げ機能というのは、ワープロには当たり前にある機能だけど、NRエディタでは、0.5文字単位で、0.5〜5文字まで字下げできる。5文字字下げっていったい何に使うんだろうと思うけれど、電書の場合、結局、改行とか字下げとか太字とか斜体とかという、「スタイル」でしか表現できないわけで、ならば、そこでの可能性は広げておいてもらえると助かるのだ。
「『字下げ』だけじゃなくて、『ぶら下げ』も今までは1字ぶら下げだったのを、0.5文字から5文字までできるようにしました。現実としてはまず使われないかなとは思うんですけど、逆に言うと、ここまでやっとけば足りないですって言う人はいないだろうという」と木村さんは笑う。確かに、印刷の制限がない電書の場合、ぶら下げだって、1文字以上あっても、要するに、そこで改行したくないという意味で、使いたい人はいるかもしれない。
さらに、ある段落で設定したスタイルは、コピー&ペーストできる。これは、相当便利で、大昔、紙メディアがメインの時代にプロのライターがこぞって使っていた「Nisus Solo Writer」のルーラのコピペ機能を思い出したりした。さらに、字下げも、数値で設定するだけでなく、ドラッグして見た目で字下げ位置を設定できたりする。このあたりも、電子書籍で多用されるスタイルとはどういうものかを研究しているボイジャーならではのインタフェースだろう。
「自分自身も使っていて操作に慣れると余裕が出てくるので、じゃあ、もっとこういうことしたいよねと、余裕ができた分、新しいことを入れたくなっちゃうんですよ。でも、初めて使う人にはその余裕がないはずなんです。その視点を忘れちゃいけないと思っています」と木村さん。実際、Ver.2を使っていると、どこが新しくなったのか分からないくらい、当たり前に操作できてしまうことに驚いたくらいなのだけど、確実に「これ出来ないかな?」と思ってクリックとかすると、大体できたりする。
凝ったレイアウトや、様々なデジタルならではの仕掛けも悪くないけれど、NRエディターで作った電子書籍は、基本がテキスト・ベースなので、例えば音声読み上げにも対応するし、全文検索もできる。さらに、リーダーやデバイスといった、環境を選ばない。読書バリアフリー的な観点からも、あったら嬉しい「本」が作れるのだ。無料でもかなり使えるけど、有料版でEPUBファイルがダウンロード出来ると、さらに可能性が広がるから、とにかく試してほしいと思う。
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