だが、マクロモードの撮影可能距離は40〜50センチと、マクロ機能自体は非常に不満足なものになっている。花のマークは出るものの、最短40センチしか寄れないのでは花の近接撮影は難しい。
同社デジカメは、マクロ機能の強さが伝統だっただけに残念なところ。このあたりの光学設計からも、今回のRR211は自社開発ではなくOEM製品なのではと疑いたくなる。
メニューによる撮影機能の設定は露出補正とホワイトバランスだけというシンプルなもので、ISO感度やシャッタースピードの設定もできない。解像度の設定は十字キーに割り当てられており、1600×1200/1280×960/640×480ピクセルから選べる(最高解像度だけファインとノーマルを選択可能)。メニューのフォントが明朝体なのが、日本メーカーらしからぬところではある。やはり、リコーブランドを冠しただけのOEM製品なのかもしれない。
気になる画質を見てみよう。異なる条件で何枚か撮影してみた。
電源投入からシャッターが切れるまでの時間は約2秒で撮影間隔は4秒弱、静止画記録/動画記録/再生モードやメニュー設定画面の切り替えにも数秒かかるなど、撮影時のレスポンスは不満が残る。
小型軽量のボディやカメラとしての質感など、カメラメーカーらしい製品作りが垣間見える部分もあるが、性能面を見るとリコーらしからぬところが目立つ。やはり“OEM疑惑”はどうしても拭いきれない。「とにかく安い価格でデジカメが欲しい」というニーズには応えられるだろうが、1万5000円で従来のCaplioシリーズの性能を求めてはいけないのかもしれない。
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