「待たせたな」と、きょうは「Prescott」Pentium 4の実力を調べて見た(その2)(2/2 ページ)

» 2004年02月03日 00時51分 公開
[佐藤哲,ITmedia]
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オフィスアプリケーションの性能

コンテンツ作成アプリケーションの性能

 PrescottとNorthwoodの差が明確に出たのは、PCMark04のDiV Xエンコードテストだけだった。このテストに関してだけは、PrescottコアのPentium 4/3.20E GHz、3E GHzがNorthwoodの3.20GHzや3GHzに比べて大幅な性能向上を果たしていることが見て取れた。

 このPCMark04に利用されているDiV Xのコーデックは5.0.5ととくに新しいバージョンではないのでSSE3の影響とは考えにくい。L2キャッシュが増えた分が結果に効いていると思われる。ただし、ほかの結果があまり差がでなかったのに比べて、このテストだけは大幅な性能向上が見て取れるだけにもう少し調査が必要だろう。ちなみに、PCMark04が先週Build 110にバージョンアップしている。そこで何らかの変更があった可能性もある(これに関しては完全な推測でしかない)。

 そのほかのテストを見てみると、Prescottは同クロックのNorthwoodを上回るものの、Pentium 4 XEに対してはやや下回る結果になった。テストによってはPrescottがNorthwoodを下回っている例(3DMark2001 SEなど)もある。今回行ったベンチマークの結果からは、「Prescottになったから大幅な性能向上を実現した」とは言い難い。Northwoodに比べて数%程度上回るというのがPrescottの実力だと言っていいのではないだろうか。

これからPCを購入するユーザーにとっては意味があるSocket478のPrescott

 それでは、Prescottの存在価値とはなんだろう?フェアにいって、今Northwoodを所有しているユーザーが、急いでPrescottに乗り換えなければならないというものではないことはベンチマークデータから明らか。また、今年の第2四半期にはインテルが新しいプラットフォームとしてPCI ExpressベースのチップセットであるAlderwoodとGrantsdaleを計画しており、CPUソケットもLGA775という新しいものに移行することが見えている。そうした現状の中で、すでにNorthwoodを所有しているユーザーがわざわざSocket478のPrescottに移行するのがよいとは言い難い。

 これからPCを購入したりこれからCPUを購入するというユーザーであれば、数%でも性能向上が認められるのであれば意味がある。というのも、同クロックのPrescottとNorthwoodは同価格だからだ。現在ではあまり多くないSSE3対応アプリケーションに関しても、今後は増えていくだろうから、そちらでの性能向上も期待できる。

 ただ、入手性に関してはあまりよくなさそうだ。Pentium 4/3.40E GHzに関しては、ダイのステッピングが新しくなる今四半期の終わりでの出荷が予定されており、そもそも入手することは難しいし、3.20E GHzに関しても大手OEMメーカーにも割り当ては少ないようで、チャネルに出回る数は極端に少ないとされている(3GHz以下のクロックに関してはそれなりに出回りそうだ)。このため、3.20GHz以上のPrescottはPC本体としても、CPU単体でも入手するのはかなり大変そうだ。早期に入手性が改善されることを期待したい。

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