15インチSXGA+液晶も選択可能な薄型Pentium Mノート――デル Inspiron 510m(2/3 ページ)

» 2004年02月04日 17時52分 公開
[赤枝輝昌,ITmedia]

見やすいディスプレイと使いやすいキーボード

 レビューに試用した510mは、ディスプレイに15インチSXGA+液晶を搭載していた。最近流行のいわゆる“ツルピカ液晶”ではなく、従来からある一般的な液晶パネルを採用している。510mはビジネス色の強いノートPCであり、さまざまな光源環境で使われることを考えれば当然の仕様であろう。

 視野角は、筆者が測定した結果では、左右160度、上方向は45度、下方向は80度程度だった。明るさのムラもなく、明度、コントラストともに十分である。

 キーボードはフルサイズで、「Home」や「End」、「Page Up」、「Page Dn」にも独立したキーが割り当てられている。キーピッチは19ミリ、キーストロークは約3ミリと十分だ。キータッチは軽めだが、ノートPCのキーボードとしてはまずまずという印象だ。キーを強く押すとたわみを感じるが、タイピングに支障をきたすほどではない。

キーピッチ19ミリ、キーストローク約3ミリのフルサイズキーボードを装備する。「Home」や「End」にも独立したキーが割り当てられている

 ポインティングデバイスには、スクロール機能付きタッチパッドを採用する。「ALPS Touch PAD」というユーティリティで上下/左右のスクロールやタッチパッドの4隅のゾーンにアプリケーションを割り当てることができ、WebブラウザやExcelなどのビジネスアプリケーションを快適に操作可能だ(デフォルトではスクロール機能はオフに設定されている)。

 左右のクリックボタンは重くも軽くもなく、適度なクリック感があり好印象だ。左右ボタンの両押しでオートスクロール機能を利用できる。

タッチパッドは上下/左右のスクロール機能や4隅のゾーンへのアプリケーション割り当て機能などを備えている

 510mを使用していると、左側のパームレスト部が温かくなり始める。その下にちょうどHDDがあるためだ。裏面はメモリスロットがある中央部やHDD周辺が熱を持つ。一方、低消費電力のPentium Mを搭載しているため、CPUの辺りはあまり熱くならない。

 動作音は、起動時や高負荷な操作を行った時に若干ファンの音が気になるぐらいで、低負荷時にはファンの音もほとんど気にならなかった。HDDの回転音も静かである。

予算と目的に合わせたシステムをチョイスできる

 それでは、510mのハードウェアを詳しく見ていこう。なお、以下に述べるのはレビュー機のスペックであり、BTOによって構成が変わることに留意してほしい。

 レビュー機のCPUはFSB 400MHz、L2キャッシュ容量1MバイトのPentium M/1.70GHzで、メモリにはPC2700対応DDR SDRAMを1024Mバイト搭載する。ちなみに、Pentium M/1.70GHzを搭載していたのはレビュー機が試作機だったためで、先ほども述べたとおり、BTOで実際に選択できるのはPentium M/1.40GHz/1.50GHz/1.60GHzの3種類だ。

 チップセットにはグラフィックス機能内蔵のIntel 855GMEを採用する。ビデオメモリはメインメモリと共有で、「DVMT(Dynamic Video Memory Technology)」により動的に割り当てられる。最大割り当て容量は64Mバイトで、設定を変更することはできない。

 メモリスロットは2基ある。レビュー機は512MバイトSO-DIMMを2枚搭載していた。メモリが1Gバイトあれば、ビジネス系アプリケーションはもちろん、Photoshopなどのグラフィックアプリケーションもストレスなく動作させることができるだろう。BTOで最大2Gバイトまで増設可能だ。

本体背面に2基のメモリスロットを装備する

 レビュー機はHDDに、日立グローバルストレージテクノロジーズの「Travelstar 80GN IC25N060ATMR04」を搭載していた。容量60Gバイト、回転数4200rpmのUltraATA/100対応2.5インチドライブで、8Mバイトの大容量キャッシュを装備している。HDDへは裏面のネジを2個はずすだけでアクセスできるので、ユーザー自身で簡単に交換できるだろう。BTOでは、30/40/60/80Gバイトの4種類から選択できる。

ネジを2個はずすだけでHDDにアクセスできる

 一方光学ドライブには、日立エルジーデータストレージのDVD+R/RWドライブを搭載する。DVD書き込みソフトには、ソニック・ソルーションズの「MyDVD」と「RecordNow!」が付属していた。光学ドライブは着脱式のドライブベイに搭載されており、DVD-ROM、DVD-ROM & CD-R/RW、DVD±R/RWもBTOで選択できる。なお、ドライブベイにはBTOでセカンドHDDやFDDドライブも搭載可能だ。

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