79万8000円と近来まれに見る高額PCが、ビジュアルテクノロジーの「VT-100」だ。筐体はがっしりとした作りでかなりの重量があり、箱ごと体重計に乗せて計ってみると約26キロという圧倒的な重量感だった。
そして、箱を開けるとおよそPC用とは思えない電源ケーブルが顔を出した。この電源ケーブルはACノイズをシャットアウトするハイエンドオーディオ用の、トランスペアレント製POWERLINK SUPERだ。これだけで日本の代理店価格は3万円もする。ちなみにこの会社の電源ケーブルは5種類あって、下から2番目の製品である。
筐体もアルミ板最厚部は8ミリという重厚感漂う質感のあるもので、ぱっと見た目にはPCとは思えない。デノン製のPCM-S1を利用しているようだ。
主なハードウェア構成だが、CPUはPentium 4/2.6C、メモリはPC3200対応DDR SDRAM 1Gバイト(512Mバイト×2)、HDDが250Gバイトとなっている。
グラフィックスカードはATI Technologiesの「RADEON 9600」(256Mバイト)、TVチューナー付きビデオキャプチャカードはピクセラの「PIX-CTV200PW-XB」と、国内のWindows Media Centerマシンとしては普通の構成だが、サウンドカードは192KHz/24ビットに対応する、エゴシステムズのWaveterminal 192Xに、デジタルIN/OUTの拡張ボードが装備されている。
また、キーボードマウスはマイクロソフトのワイヤレス製品(ワイヤレスオプティカルデスクトップ)を使用している。本体はラックに収めておいて、操作は手元でできるのは楽だ。
マザーボードはMSIのMicroATXファクター、865GM2-ILSを使っていた。このマザーボードにはIEEE1394コントローラーが含まれていて、実際コントロールパネルからも見えるのだが、VT-100では外部コネクタは用意されていなかった。
なお、リモコンはいつものごとく用意されているが、受光部はパッケージの中に入っていない。VT-100では正面パネルの中に受光部があり、本体にリモコンを向けて操作することになる。今回評価したマシンでは唯一のリモコン受光部内蔵モデルとなっており、こちらの方が家電的で分かりやすい。
光学ドライブはリコーのMP5240Aだ。リコーは、最近では唯一といってよいDVD+R/RWドライブメーカーであり、日本では一般化しているDVD-R/RWに対応していない。
正面パネルには温度らしき表示が出ている。ICセンサー(LM35)でCPUクーラーから出る空気の温度を測っていた。
なおケースには底面に1つ、背面に2つのファン取り付けスペースがあるものの使われておらず、電源もグラフィックスボードもファンレスと気合の入ったつくりで、CPUクーラーも特製と思われる、回転数の割には風量のある厚手のファンを使っていた。また、メモリはヒートスプレッダを取り付けて放熱性を確保している。
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